でも何が対象か分からないし、どうせ申請も面倒なんでしょ?
こんにちは、キベリンブログです。
教育訓練給付制度は、ちょっと複雑でわかりにくいですよね。
今回は、「受講料が最大80%返ってくる、お得な教育訓練給付制度」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 教育訓練給付制度とは?【3つの給付がある、雇用保険(失業保険)の制度】
② 一般教育訓練給付の条件と申請【給付率:2割】
③ 特定一般教育訓練給付の条件と申請【給付率:5割】
④ 専門実践教育訓練給付の条件と申請【給付率:8割 + 教育訓練支援給付金の特典あり】
⑤ まとめ:教育訓練給付の対象講座なら、お得にスキルアップできる
漢字ばかりで、わかりにく過ぎる教育訓練給付を、うまく説明していきますね。
かなりお得なので、気になる講座は必ず確認してみてください!
「教育訓練給付制度」は、「会社員」でも「失業中(退職から1年以内に受講開始)」でも、利用できます。
別の訓練に「職業訓練」がありますが、失業保険の受給者でも「教育訓練給付」を受けられます。
「費用」の面では職業訓練にメリットがありますが、「講座の質や豊富さ」なら教育訓練給付にメリットがあります。
職業訓練の詳細は、「失業保険をもらい続けながら職業訓練を受ける方法」をご覧ください。
① 教育訓練給付制度とは?【3つの給付がある、雇用保険(失業保険)の制度】
教育訓練給付とは、「厚労省が認定した講座や学校なら、費用の一部を支給するよ」という制度です。
「雇用保険(失業保険)」の制度なので、条件として雇用保険の一定の加入期間を満たす必要があります。
ですが、条件は厳しくありません。
初めての給付なら、雇用保険の加入期間が「1年以上」あれば、条件を満たせます。
退職していても、「離職から1年以内」ならOKなので、わりとハードルは低いですよね。
教育訓練給付は、3つの給付【1. 一般(20%) 2. 特定一般(50%) 3. 専門実践(80%)】
教育訓練給付制度は、3種類の給付に分かれています。
これが分かりにくい要因なのですが...、すこしずつ見ていきましょう。
【教育訓練給付の種類と支給額】
1. 一般教育訓練給付 : 費用の20%【年間上限10万円】
2. 特定一般教育訓練給付 : 費用の50%【年間上限25万円】(※2019年10月 新設)
3. 専門実践教育訓練給付 : 費用の80%【年間上限64万円】(※受講中に50%の給付あり)
漢字ばかりで、長いし似てるしで、分かりにく過ぎですよね...。
簡略化すると、【1. 一般(20%) 2. 特定一般(50%) 3. 専門実践(80%)】の3つです。
給付率が高いほど、手続きや条件のハードルも高くなるイメージですね。
「1. 一般」は、対象の講座が幅広く、申請は「わりと簡単」です。
「2. 特定一般」と「3. 専門実践」は、給付率が高くてメリット大ですが、申請は「ちょっと面倒」です。
なお、近年(2018年 / 2019年)に制度を拡充していて、給付率や条件が改善されています。
情報が更新されていないサイトも多いので、注意してくださいね。
3つの給付の対象講座の分類とは?
3つの給付に対して、「どんな講座が該当するのか?」を簡単に分類していきます。
【教育訓練給付の指定講座の分類】
1. 一般教育訓練給付 : 職業能力アップを支援する、幅広い講座が対象
2. 特定一般教育訓練給付 : 運転免許(大型自動車第一種免許等)や税理士・介護など、キャリアアップ効果の高い講座
3. 専門実践教育訓練給付 : プログラミングスクールのようなIT系や、専門学校・大学院など中長期キャリア向けの講座
給付の対象講座の詳しい調べ方とは?
厚生労働省のサイト「教育訓練給付制度【検索システム】」から検索できます。
「給付の対象であるか?」「給付の対象なら、3つのうちどれに該当するか?」を調べられるので、確認してみてくださいね。
※【補足】IT系のスクールなら、「8週間(TechAcademyの講座の例)」など短期の受講でも、「専門実践(80%)」の給付対象となる講座があります。
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② 一般教育訓練給付の条件と申請【給付率:2割】
支給額は、「受講費用の20%【上限10万円】」と少ないですが、受給のハードルは低いです。
申請は受講後に行うのですが、わりと簡単なので最も受けやすい給付ですね。
一般教育訓練給付の受給条件
・初めての支給なら、雇用保険の加入期間が1年以上(2回目以降は3年以上)
・退職している場合は、離職から1年以内に受講開始すること
・以前に教育訓練給付を受けている場合は、3年以上経過していること
・受講費用の 20% の金額が、4,000円を超えること(※4,000円以下は支給なし)
初めてなら1年ほど会社員で働いていればOKなので、クリアしやすいですよね。
会社を辞めていても、「退職から1年以内」に受講開始すれば受給できますよ。
一般教育訓練給付の申請方法
【申請場所】
・住所地を管轄するハローワーク
【申請期間】
・受講修了日の翌日から1か月以内
【必要書類】
・教育訓練給付金支給申請書(教育訓練の実施者から受け取る)
・教育訓練修了証明書(修了基準を満たすと、教育訓練の実施者から受け取れる)
・領収書
・本人および住所確認書類(免許証など)
・マイナンバー確認書類
・給付を受ける金融機関の通帳またはキャッシュカード
・(※環付金を受けた場合のみ)教育訓練実施者が発行の返還金明細書
ハローワークには、受講が終わった後に申請することになります。
受講前に給付は受けられないので、注意してくださいね。
③ 特定一般教育訓練給付の条件と申請【給付率:5割】
支給額は、「受講費用の50%【上限25万円】」と、一般教育訓練給付の倍以上になりますね。
2019年10月に新設されましたが、対象講座は増えてきています。
申請は、「受講前」と「受講後」に手続きが必要なので、注意してくださいね。
特定一般教育訓練給付の受給条件
・受講開始前に、「訓練前キャリアコンサルティング」を受講すること
・初めての支給なら、雇用保険の加入期間が1年以上(2回目以降は3年以上)
・退職している場合は、離職から1年以内に受講開始すること
・以前に教育訓練給付を受けている場合は、3年以上経過していること
・受講費用の40%の金額が、4,000円を超えること(※4,000円以下は支給なし)
「一般教育訓練給付」と異なる点は、「訓練前キャリアコンサルティング」を受講しなければなりません。
「訓練前キャリアコンサルティング」とは?
ハローワーク指定の要件を満たしたキャリアコンサルタントから受ける、コンサルティングです。
訓練前キャリアコンサルティングは、「受講開始の1か月前まで」に受けなければなりません。
ハローワークでキャリアコンサルティングを予約する必要があるので、余裕を持って準備しましょう。
なお、コンサルティングを受けるにあたり、事前に「ジョブ・カード」を作成しておく必要があります。
【ジョブ・カードとは】
・職業能力を「見える化」する、キャリアプランニングツール
・就業の目標や、職業能力の向上などの内容を回答する
・訓練前キャリアコンサルティングを受けて修正を行い、申請に必要なジョブカードを完成させる
ジョブ・カードを簡単にいうと、「キャリアプランのための書類」ですね。
内容的には、職務経歴書と似ているところもあります。
※ジョブ・カードの具体的な書き方は、「【教育訓練給付】ジョブカードとは?書き方と記入例【給付の条件】」を参考にしてくださいね。
特定一般教育訓練給付の申請方法
【申請場所】
・住所地を管轄するハローワーク
【受講前の申請での必要書類(※受講開始の1か月前までに申請する)】
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(ハローワークで配布)
・ジョブカード(キャリアコンサルティング後のもの)
・本人および住所確認書類(免許証など)
・マイナンバー確認書類
・給付を受ける金融機関の通帳またはキャッシュカード
・(※過去に受けた場合のみ)専門実践教育訓練給付および特定一般教育訓練給付再受給時報告
【受講後の支給申請での必要書類(※受講修了から1か月以内に申請する)】
・受給資格確認通知書(受給資格確認時にハローワークで受け取る)
・教育訓練給付金支給申請書(教育訓練の実施者から受け取る)
・教育訓練修了証明書(修了基準を満たすと、教育訓練の実施者から受け取れる)
・領収書
・本人および住所確認書類(免許証など)
・マイナンバー確認書類
・特定一般教育訓練給付受給時報告書(教育訓練の実施者から受け取る)
・(※環付金を受けた場合のみ)教育訓練実施者が発行の返還金明細書
繰り返しですが、特定一般教育訓練給付は「受講前」と「受講後」に申請が必要です。
受講前に「訓練前キャリアコンサルティング」も受ける必要があるので、余裕をもって準備してくださいね。
※訓練前キャリアコンサルティングの詳しい内容は、「【教育訓練給付】訓練前キャリアコンサルティングとは【給付に必須】」をご覧ください。
④ 専門実践教育訓練給付の条件と申請【給付率:8割 + 教育訓練支援給付金の特典あり】
支給額は、「受講費用の80%【年間上限64万円】」と、最大の給付率ですね。
加えて、他の給付とは違って「受講中」も給付を受けられます。
さらに、失業中なら「教育訓練支援給付金」の特典もあるので、最もお得な給付になりますね。
専門実践教育訓練給付の支給額
・受講中 : 費用の50%
・修了後 : 費用の80%
受講中の給付を受けるには、6か月ごとに申請が必要です。
修了後の給付は、「資格取得などをした場合(教育訓練の実施者ごとの修了基準を満たすこと)」かつ「1年以内に雇用された場合」に、受けられます。
専門実践教育訓練給付の受給条件
・受講開始前に、「訓練前キャリアコンサルティング」を受講すること
・初めての支給なら、雇用保険の加入期間が2年以上(2回目以降は3年以上)
・退職している場合は、離職から1年以内に受講開始すること
・受講費用の50%の金額が、4,000円を超えること(※4,000円以下は支給なし)
初めてでも「雇用保険の加入期間が2年以上」と、他の2つの給付と比べてすこしハードルが上がります。
また、「特定一般教育訓練給付」と同じく、「訓練前キャリアコンサルティング」の受講が必要です。
※訓練前キャリアコンサルティングについては、「【教育訓練給付】訓練前キャリアコンサルティングとは【給付に必須】」で紹介しています。
専門実践教育訓練給付の申請方法
【申請場所】
・住所地を管轄するハローワーク
【受講前の申請での必要書類(※受講開始の1か月前までに申請する)】
・教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(ハローワークで配布)
・ジョブカード(キャリアコンサルティング後のもの)
・本人および住所確認書類(免許証など)
・マイナンバー確認書類
・写真2枚(縦3.0cm x 横2.5cm)
・給付を受ける金融機関の通帳またはキャッシュカード
・(※過去に受けた場合のみ)専門実践教育訓練給付および特定一般教育訓練給付再受給時報告
【受講中 / 受講修了後の支給申請での必要書類】
・教育訓練給付金の受給資格者証(受講前の申請後にハローワークから交付)
・教育訓練給付金支給申請書(教育訓練の実施者から受け取る)
・受講証明書または専門実践教育訓練修了証明書(修了基準を満たせたら、教育訓練の実施者から受け取る)
・領収書
・(※環付金を受けた場合のみ)教育訓練実施者が発行の返還金明細書
・(※受講中の最後の支給申請のみ)専門実践教育訓練給付最終受給時報告
・(※修了後の支給申請のみ)専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
・(※修了後の支給申請のみ)資格取得などを証明する書類
【支給申請の期間】
・受講中 : 受講開始日から6か月ごとの期間(支給単位期間)後の1か月以内
・修了後 : 雇用された日から1か月以内
専門実践教育訓練給付には、「教育訓練支援給付金」がある【失業中のみ】
専門実践教育訓練給付だけの特典に、「教育訓練支援給付金」があります。
この給付金は簡単にいうと、「失業状態なら生活支援のために、さらに追加で給付するよ」という制度です。
「失業保険の金額の 80%」を、受講が修了するまで、失業保険のように継続して給付を受けられます。
条件はありますが「かなりお得」なので、ぜひ利用しましょう。
【教育訓練支援給付金の受給条件】
・失業状態であるが、失業保険の受給は終了していること
・専門実践教育訓練を、修了する見込みがあること
・専門実践教育訓練の受講開始時に、45歳未満であること
・専門実践教育訓練が通信制または夜間制でないこと
・これまでに、教育訓練支援給付金を受けたことがないこと
・平成26年(2014年)10月以降、教育訓練給付金を受けたことがないこと
※IT系のスクールなら、「8週間(TechAcademyの講座の例)」と短期の受講でも、「専門実践(80%)」に認定されている講座があります。
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【80%給付】教育訓練給付が使えるプログラミングスクール【3選】
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⑤ まとめ:教育訓練給付の対象講座なら、お得にスキルアップできる
本記事では、「受講料が最大80%返ってくる、お得な教育訓練給付制度」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【教育訓練給付制度とは】
・厚労省が認定した講座や学校なら、受講費用の一部を支給してくれる雇用保険の制度
・初めてなら、雇用保険の加入期間が「1年以上」で受給できる(退職後も1年以内の受講開始でOK)
・教育訓練給付制度は、3種類の給付に分かれている
【教育訓練給付の種類と支給額】
1. 一般教育訓練給付 : 費用の20%【年間上限10万円】
2. 特定一般教育訓練給付 : 費用の50%【年間上限25万円】(※2019年10月 新設)
3. 専門実践教育訓練給付 : 費用の80%【年間上限64万円】(※受講中に 50% の給付あり)
【教育訓練給付の指定講座の分類】
1. 一般教育訓練給付 : 職業能力アップを支援する、幅広い講座が対象
2. 特定一般教育訓練給付 : 運転免許(大型自動車第一種免許等)や税理士・介護など、キャリアアップ効果の高い講座
3. 専門実践教育訓練給付 : プログラミングスクールのようなIT系や、専門学校・大学院など中長期キャリア向けの講座
【教育訓練給付の申請方法】
・住所地を管轄するハローワークで申請する
・「一般教育訓練給付」は、受講後に申請(わりと簡単)
・「特定一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」は、受講前と受講後に申請が必要(ちょっと面倒)
繰り返しですが、「一般教育訓練給付」なら、わりと簡単に給付を受けられます。
「特定一般教育訓練給付」と「専門実践教育訓練給付」は、申請がちょっと面倒になりますね。
でも給付率は高く、面倒でもメリットは大きいです。
あまり知られていない教育訓練給付制度は、お得にスキルアップできます。
条件を満たしているなら、ぜひ活用してみてくださいね。
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