「離職理由コード」から決まるって聞いたけど、どこに書いてあるの?
こんにちは、キベリンブログです。
失業保険での退職理由は、離職票の離職理由コードで判断されます。
今回は、「離職理由コードの意味と、国民健康保険料の軽減対象」について紹介します。
【本記事の内容】
失業保険は3回受給してきました。
経験から、重要な意味をもつ離職理由コードのポイントを語っていきます。
① 失業保険の離職理由コードは、2つの書類にある【離職票・雇用保険受給資格者証】
失業保険は、「退職理由(自己都合・会社都合)」が重要になってきます。
なぜなら、給付制限や給付日数に影響するからですね。
ハローワークがあなたの退職理由をどうやって確認するかというと、「離職理由コード」から判断します。
離職理由コードは2つの書類から確認できるので、それぞれ説明していきますね。
【離職理由コードが確認できる書類】
❶ 離職票-2【離職区分】
❷ 雇用保険受給資格者証 【離職理由】
❶ 離職票-2【離職区分】
離職票は、会社を退職すると1~2週間ほどで会社から送られてくる書類です。(画像はハローワークのサイトから引用)
失業保険の申請に必要なので、わりと知られている重要な書類ですね。
2枚組で「1」と「2」に分かれており、離職理由コードは「2」の右端に書かれています。
離職票には、「離職区分」と表記されています。
画像を見ると、右端に「1A」から「5E」まで並んでいることがわかりますよね。
(コードの意味は、次のパートで説明しますね)
このコードを元にして、退職理由を判断しています。
❷ 雇用保険受給資格者証 【離職理由】
雇用保険受給資格者証は、失業保険を申請した後にもらえる書類です。(画像はハローワークのHPから引用)
「離職理由」の欄が、離職理由コードです。
上の画像を見ると、「40」と番号が書かれていますよね。
失業保険の申請時に離職票を提出しますが、離職理由の番号は「離職票の離職区分」が元になっています。
離職票とはコードの書き方が異なりますが、「A=1、B=2、C=3」などと離職票のコードに対応しています。
コードの意味については、次のパートで説明していきますね。
② 離職理由コード一覧と意味【3つの受給資格】
離職理由コードは、離職票は「1A ~ 5E」、雇用保険受給資格者証は「11 ~ 55」で設定されています。
コード一覧と、それぞれの退職理由の意味を確認していきましょう。
離職理由コードの一覧と、退職理由の意味
離職理由コード | 退職理由の意味 |
1A (11) | 解雇 (1B・5E 以外) |
1B (12) | 天災等で事業の継続が不可能になったことでの解雇 |
2A (21) | 特定雇止め (雇用期間3年以上雇止め通知あり) |
2B (22) | 特定雇止め (雇用期間3年未満等更新明示あり) |
2C (23) | 特定理由の期間満了 (雇用期間3年未満等更新明示なし) |
2D (24) | 期間満了による退職 (2A・2B・2C 以外) |
2E (25) | 定年退職(船員を除く)・移籍出向 |
3A (31) | 事業主の働きかけによる正当な理由のある自己都合退職 |
3B (32) | 事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職 |
3C (33) | 正当な理由のある自己都合退職 (3A・3B・3D 以外) |
3D (34) | 正当な理由のある自己都合退職 (被保険者期間12か月未満) |
4D (40) | 正当な理由のない自己都合退職 (受給資格決定にかかる離職) |
4D (45) | 正当な理由のない自己都合退職 (40 以外) |
5E (50) | 懲戒解雇など本人の重大な責任による解雇 (受給資格決定にかかる理由) |
5E (55) | 懲戒解雇など本人の重大な責任による解雇 (50 以外) |
離職理由コード一覧と意味は、上記のとおりです。
転職などの理由で普通に退職したときは、「4D(40 , 45)」となり、このコードが最も多いですね。
ちょっと余談ですが、正当な理由でないと判断されるのも、あまりいい気分はしないですよね...。
離職理由コードから決まる、3つの受給資格【給付制限に影響あり】
❶ 特定受給資格者(会社都合):1A、1B、2A、2B、3A、3B【給付制限なし】
❷ 特定理由離職者(正当な理由のある自己都合):2C、2D、2E、3C、3D【給付制限なし】
❸ 一般受給資格者(正当な理由のない自己都合):4D、5E【2か月の給付制限あり】
失業保険の受給資格は3つに区分されていて、離職理由コードから決まります。
大きくは会社都合・自己都合の2つなのですが、自己都合は「正当な理由のある / なし」でも分かれています。
普通の退職は「4D」なので、❸の「一般受給資格者(正当な理由のない自己都合)」になりますね。
この場合は給付制限があり、2か月待たないと失業保険は支給されません。
もし❷の「特定理由離職者(正当な理由のある自己都合)」に該当する離職理由コードなら、給付制限はありません。
つまり、失業保険をすぐ受給できるので、正当な理由があるという分だけ優遇されていますね。
※「正当な理由のある自己都合」に当てはまる条件は、「【給付制限なし】特定理由離職者になるには?【病気・結婚・介護】」をご覧ください。
③ 国民健康保険料の軽減対象になる離職理由コードとは【20万円の減額例】
会社を退職したら、健康保険の切替が必要ですよね。
国保(国民健康保険)には、離職理由によって受けられる「軽減制度」があります。
軽減の対象になると、健康保険料が減額されます。
対象かどうかは離職理由コードから決まるので、減額の内容と合わせて見ていきましょう。
退職前の年収が300万円なら、保険料は20万円も減額になる
国民健康保険料は、「前年の所得」から計算されます。
つまり、退職前の所得が高いほど、保険料も高くなるわけですね。
軽減対象になると、「所得を総額の30%」と見なして健康保険料を算定してもらえます。
例えば、退職前の年収が300万円だった場合は、健康保険料は「約20万円」も減額されます。
退職が収入が減った状態でこれだけ減額してもらえたら、かなり大きいですよね。
軽減措置の対象になる、離職理由コード(雇用保険受給資格者証の「離職理由」の番号)
11:解雇(12および本人の重大な責任による解雇以外)
12:天災等で事業の継続が不可能になったことによる解雇
21:特定雇止め(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
22:特定雇止め(雇用期間3年未満等更新明示あり)
23:特定理由の期間満了(雇用期間3年未満等更新明示なし)
31:事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
32:事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職
33:正当な理由のある自己都合退職(31,32,34 以外)
34:正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12か月未満)
国保の軽減対象になる離職理由コードは、上記のとおりです。
軽減の申請には「雇用保険受給資格者証」が必要になるので、雇用保険受給資格者証に記載されるコードを載せています。
そのため、先に失業保険を申請しておく必要があります。
もし上記以外の離職理由コードだと軽減対象にならないので、注意してくださいね。
※国保の軽減措置についての詳しい内容は、「【健康保険】退職後の保険料の軽減制度とは?【退職理由が重要】」をご覧ください。
④ まとめ:離職理由コードは失業保険と国保に影響する。間違っていたら必ず申し立てを
本記事では、「離職理由コードの意味と、国民健康保険料の軽減対象」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【離職理由コード一覧と退職理由の意味】
離職理由コード | 退職理由の意味 |
1A (11) | 解雇 (1B・5E 以外) |
1B (12) | 天災等で事業の継続が不可能になったことでの解雇 |
2A (21) | 特定雇止め (雇用期間3年以上雇止め通知あり) |
2B (22) | 特定雇止め (雇用期間3年未満等更新明示あり) |
2C (23) | 特定理由の期間満了 (雇用期間3年未満等更新明示なし) |
2D (24) | 期間満了による退職 (2A・2B・2C 以外) |
2E (25) | 定年退職(船員を除く)・移籍出向 |
3A (31) | 事業主の働きかけによる正当な理由のある自己都合退職 |
3B (32) | 事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職 |
3C (33) | 正当な理由のある自己都合退職 (3A・3B・3D 以外) |
3D (34) | 正当な理由のある自己都合退職 (被保険者期間12か月未満) |
4D (40) | 正当な理由のない自己都合退職 (受給資格決定にかかる離職) |
4D (45) | 正当な理由のない自己都合退職 (40 以外) |
5E (50) | 懲戒解雇など本人の重大な責任による解雇 (受給資格決定にかかる理由) |
5E (55) | 懲戒解雇など本人の重大な責任による解雇 (50 以外) |
【離職理由コードから決まる、3つの受給資格】
❶ 特定受給資格者(会社都合):1A、1B、2A、2B、3A、3B【給付制限なし】
❷ 特定理由離職者(正当な理由のある自己都合):2C、2D、2E、3C、3D【給付制限なし】
❸ 一般受給資格者(正当な理由のない自己都合):4D、5E【2か月の給付制限あり】
【国民健康保険料の軽減措置の対象になる、離職理由コード】
11:解雇(12および本人の重大な責任による解雇以外)
12:天災等で事業の継続が不可能になったことによる解雇
21:特定雇止め(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
22:特定雇止め(雇用期間3年未満等更新明示あり)
23:特定理由の期間満了(雇用期間3年未満等更新明示なし)
31:事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
32:事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職
33:正当な理由のある自己都合退職(31,32,34 以外)
34:正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12か月未満)
離職理由コードは、退職後に会社から送られてくる離職票で、最初に確認できます。
届いたら、あなたの退職理由と一致した離職理由コードになっているか、必ず確認しましょう。
「2A(雇止め)」にもかかわらず、「4D(正当な理由のない自己都合退職)」にされていることもあり得ます。
そのまま何も言わず失業保険を申請してしまうと、給付制限がつくなど、あなたが損をすることになってしまいます。
失業保険を申請するとき、ハローワークの担当者は「離職理由は間違っていないか?」を確認してくれます。
損をしないためにも、間違っていたら必ずその場で申し立ててくださいね。
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