これって正しい金額なのかな??
こんにちは、キベリンブログです。
退去費用の請求書がテキトーだと、本当に払うべきなのか気になりますよね。
今回は、「退去費用を正しく確認するための手順と対処法」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 退去費用を正しく確認するための手順とは【3つのステップ】
② 退去費用の請求書の明細フォーマットと、経過年数の考え方【6年で1円】
③ まとめ:退去費用の請求はすぐサインせず、まずは明細から依頼しよう
少額訴訟で敷金を取り返すなど、賃貸では知識と経験を積んできました。
国交省のガイドラインで公開している、明細のフォーマットなどもわかりやすく紹介していきますね。
① 退去費用を正しく確認するための手順とは【3つのステップ】
退去立ち合い後の請求書をみると、サラッと10万円以上もの費用が書かれていたりしますよね。
そういったケースだと、ぼったくりの確率が高いです。
まずは、退去費用を正しく確認するための手順を紹介していきます。
【退去費用を正しく確認するための手順】
ステップ1 : 退去立ち合いの開始前から、動画や音声を記録する
ステップ2 : 管理会社に言われるがまま、絶対にすぐサインしない
ステップ3 : 詳しい費用の内訳がなければ、明細を請求する
ステップは3つですね。
順番に見ていきましょう。
ステップ1 : 退去立ち合いの開始前から、動画や音声を記録する
まずは前提のステップですが、立ち合いの状況は動画で記録を残しておくと安心です。
なぜなら、後から「言った言わない問題」を避けられるし、威圧的な対応へのけん制にもなるからですね。
もし管理会社や立会業者に撮影を拒否されたら、すぐに立ち会いは止めましょう。
拒否するということは、不正な請求(ぼったくり)をされる可能性が高いです。
記録しつつ、鍵だけ返却して「後日に退去費用の明細をメールか郵送で送ってください」と伝えればOKです。
動画が難しければ、音声だけでもスマホなどで記録しておくといいですね。
ステップ2 : 管理会社に言われるがまま、絶対にすぐサインしない
立ち会いの場で言われるがままにすぐサインするのは、絶対に止めましょう。
なぜなら、サインしてしまうと後で納得できなくても、断ることが難しくなるからですね。
「サインしないと退去が完了しません」と言われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
退去は、「解約申入れ(書面での通知)」と「鍵の返却」の2つで完了します。
もし金額や文面にまったく問題がなければ、サインしても構いません。
ですが少しでも疑問を感じたら、ひとまずサインは控えましょう。
ステップ3 : 詳しい費用の内訳がなければ、明細を請求する
退去費用に疑問を感じたら、内訳を示した明細を請求しましょう。
決して書類にはサインはせず、後日にメールか郵送で送ってもらうよう伝えればOKです。
ひとり暮らしの退去立ち合いの時間は、20~30分ほどです。
この短い時間だけでは、適正な退去費用は出せません。
退去費用の請求書は、「単価・単位(㎡など)・経過年数(減価償却率)といったガイドラインに従った明細で出してください」と伝えて依頼しましょう。
(明細のイメージや減価償却率の正しい確認方法は、次のパートで紹介しますね)
※前提として、退去立ち合いをするのはあまりおすすめしません。
その理由については「【賃貸】退去立ち会いが不要な理由と、鍵の返却方法【メリットなし】」で紹介しています。
② 退去費用の請求書の明細フォーマットと、経過年数の考え方【6年で1円】
退去費用の請求書に関する明細は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にフォーマット例が公開されています。
明細のイメージと経過年数(減価償却率)の考え方など、退去費用の確認方法を説明しておきますね。
退去費用の明細のフォーマット例
(国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」から引用)
国交省のガイドラインでは、退去費用の明細を上の画像のような様式で公開しています。
床や天井・壁といった対象別に、それぞれ「単価・単位(㎡など)・経過年数」の項目で細かく分けてありますよね。
管理会社や立会業者などに退去費用の請求書を求めるときは、こういった明細で出してもらうよう依頼しましょう。
この様式なら、「賃借人(あなた)」と「賃貸人(オーナー・大家さん)」の負担割合も明確になります。
明細を求めるだけでも、まずは一段階目としてぼったくりの金額は大きく減らせるはずです。
ここで気になるのは、「経過年数」ですよね。
経過年数の考え方【減価償却率】
住んでいる期間が長いと、部屋の設備も古くなっていきますよね。
設備によりますが、経過年数による「減価償却」の考え方が用いられます。
減価償却とは、資産は時間が経つにつれて、価値が減っていくという考え方です。
つまり、あなたが傷つけたり壊したりしても、新品と同じ額の負担は必要ないということですね。
「減価償却あり」の設備の多くは、「6年で価値は1円」になります。(減り方は上図のグラフ参照)
一方で「減価償却なし」のものもあるので、それぞれ見ていきましょう。
減価償却ありの設備【6年で残存価値は1円】
・クッションフロア(CF)、カーペット
・壁、天井(クロス)
・エアコン
・ガス機器(ガスレンジ)
・冷蔵庫
・インターホン
上記のリストにある設備は、「減価償却あり」のものです。
よくあるのは、床のクッションフロア、壁紙・クロス、エアコンなどですね。
先ほどのグラフでも紹介しましたが、経過年数につれて価値は下がっていき、最終的には「6年で残存価値は1円」です。
あなたの故意・過失が原因で負担が必要なときは、この経過年数に応じた負担割合から算定します。
例えば「新築から3年住んだ場合」は、借主のあなたの負担は減価償却で「50%」になります。
算定の元になる費用ですが、クッションフロアやクロスなどで破損が一部なら、一面だけの費用でOKです。
減価償却なしの設備
・フローリングの補修(※張替えの場合は、建物の耐用年数で減価償却)
・畳、襖(ふすま)、柱
・クリーニング(※通常の清掃を実施していない場合)
一方で、上記のリストのものは「減価償却なし」となります。
住んだ期間など、経過年数は考慮されません。
なお、業者に依頼するような専門的なクリーニングは、「貸主(オーナー・大家さん)の負担」と決められています。
借主のあなたの負担は「通常の清掃を怠った場合のみ」なので、知っておくと役に立ちますよ。
【原状回復の原則と、特約について】
・貸主の負担 : 通常使用による損耗、経年劣化、業者に依頼するような専門的な清掃
・借主の負担 : 通常を超えるような使用による損耗、故意や過失、善管注意義務違反(一般的な注意を怠ること)
国土交通省のガイドラインでは、上記のとおり「原状回復の原則」を定めています。
ただし賃貸借契約書に「特約」がある場合は、その特約の内容は原状回復の原則から外れます。
ですが、特約は書かれていたら何でも有効になるわけではありません。
よくある事例としては「クリーニング特約」ですが、詳しくは「【クリーニング特約】賃貸契約で退去時にぼられる理由と特約の交渉術」をご覧ください。
③ まとめ:退去費用の請求はすぐサインせず、まずは明細から依頼しよう
本記事では、「退去費用を正しく確認するための手順と対処法」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【退去費用を正しく確認するための手順】
ステップ1 : 退去立ち合いの開始前から、動画や音声を記録する
ステップ2 : 管理会社に言われるがまま、絶対にすぐサインしない
ステップ3 : 詳しい費用の内訳がなければ、明細を請求する
【退去費用の明細フォーマットと、経過年数による減価償却率の考え方】
・退去費用は対象ごとに、「単価・単位(㎡など)・経過年数」など細かい明細で請求する
・設備に関する退去費用は、経過年数による減価償却率から算定される
・クッションフロアやクロスは、6年で残存価値は1円になる
賃貸での退去費用は、何も知らないと管理会社から言われるがままの金額を払ってしまいますよね。
私も以前は知らなかったので、払う必要のないお金をムダに支払っていました。
退去立ち合いで請求書にサインを求められたとき、すこしでも疑問があったら、その場でのサインは絶対に止めておきましょう。
動画や音声で記録に残しながら、鍵だけ返却して、後日に明細を送るよう伝えればOKです。
落ち着いた状況なら、送られてきた明細から減価償却率なども含めて正しく算定されているかも、焦らず確認できます。
知識をうまく使えば退去費用のぼったくりは防げるので、ぜひ本記事を活用してみてくださいね。
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