そもそも、どんな時にもらえる手当なの?
こんにちは、キベリンブログです。
失業保険や教育訓練給付で改正が続く中で、就業促進定着手当も変わることがあります。
今回は、「再就職後にもらえる "就業促進定着手当" の上限引き下げ改正」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 再就職後にもらえる、就業促進定着手当とは【給料下がったら】
② 就業促進定着手当の上限額が、引き下げ改正に【2025年4月】
③ まとめ:就業促進定着手当の制度は今後も残るので、給料下がったら申請しよう
失業保険は3回ほど受給してきました。
あまり知られていない就業促進定着手当の改正について、わかりやすく語っていきます。
① 再就職後にもらえる、就業促進定着手当とは【給料下がったら】
2025年4月に、就業促進定着手当の上限について引き下げ改正があります。
でも "就業促進定着手当" って、失業保険の給付としてはあまり知られていないですよね。
そこで具体的な改正内容に入る前に、まずは就業促進定着手当がどんな給付かを紹介しておきます。
就業促進定着手当とは
・再就職後の給料が、離職前よりも下がった場合に支給される手当
・再就職手当を受給していることが条件
・支給のタイミングは、再就職してから6ヶ月以上経過後
就業促進定着手当とは、「転職後に給料が下がったらもらえる手当」です。
再就職後に支給される手当なので、忘れたままもらい損ねている人が多いかもしれません。
支給対象となる前提として、「再就職手当を受給していること」が条件になります。
再就職手当はわりと受給している人が多いので、条件を満たすのは難しくないですよね。
再就職後の給料は "再就職してから6ヶ月間" で判断し、離職前の給料と比較します。
したがって、就業促進定着手当をもらうには「再就職してから6ヶ月以上経過後」まで待つ必要があります。
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就業促進定着手当の支給額【計算方法】
・支給額 = (離職前の賃金日額 - 再就職後6ヶ月間の1日あたりの給料)× 180
※賃金日額は、失業保険の申請後にもらえる雇用保険受給資格者証に記載あり(離職前の1日あたりの給料)
就業促進定着手当がいくらもらえるかというと、上記の計算式から求められます。
計算方法をみると分かると思いますが、「下がった分の差額を6ヶ月分(180日)もらえる」という手当ですね。
つまり、再就職後の給料が下がるほど、支給額が増えるしくみです。
ただし注意すべき点が1つあり、"上限額" があるということです。
就業促進定着手当の上限額
・上限額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 40%
※再就職手当の給付率が70%の場合は、40% → 30%で計算
(所定給付日数を3分の2以上残した状態で再就職手当をもらうと、給付率70%になる)
就業促進定着手当の上限額は、上記の計算式から決められます。
基本手当日額とは「失業保険(基本手当)の1日あたりの支給額」で、雇用保険受給資格者証にも書いてあります。(離職前の給料の約6割ほどの金額)
支給残日数をかけるため、早く再就職するほど上限額も大きくなります。
ただし再就職手当の給付率が70%の場合、上限額の計算に使う割合は "40% → 30%" で計算されるため、そこまで上限は増えません。
月給30万円 → 27万円に下がったら、15万円以上もらえるケースも
・離職前の月給 : 30万円
・再就職後の月給 : 27万円
・失業保険の基本手当日額 : 5,687円
・支給残日数 : 90日(早めに再就職して1日分も失業保険をもらわなかった状態)
→ 就業促進定着手当の支給額は「153,549円(上限額)」
離職前の月給30万円で、再就職後の月給27万円に下がった具体例でみると、就業促進定着手当は最大で「153,549円」になります。
上記の支給額は、上限額につき当たった状態です。
15万円以上もらえるなら、かなり大きな手当ですよね。
この "上限額" の計算に使われている40%の割合が、2025年4月から改正されます。
どう改正されるのか、次のパートで詳しく見ていきましょう。
② 就業促進定着手当の上限額が、引き下げ改正に【2025年4月】
前のパートで、就業促進定着手当がどんな給付なのかを見てきました。
再就職後に給料が下がったとき、その差額の6ヶ月分を支給してくれる手当です。
ただし支給には "上限額" があるため、下がった分の全額がもらえないケースもあります。
その上限額が、2025年4月から引き下げ改正となります。
就業促進定着手当の上限額引き下げ改正とは(40% → 20%)【2025年4月】
・2025年3月以前 : 上限額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 40%
・2025年4月以降 : 上限額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 20%
就業促進定着手当の上限額は、失業保険の "基本手当日額" と "支給残日数" に一定の割合を掛けて計算されます。
その計算に使われる割合が、2025年4月から「40%から20%へ引き下げ」となります。
支給額は、「(離職前の賃金日額 - 再就職後6ヶ月間の1日あたりの給料)× 180」で求められます。
再就職後の給料がそれほど下がっていなければ、上限額に届かない可能性も高くなるので、そういったケースではこの引き下げ改正は特に影響ありません。
月給30万円 → 27万円に下がったケースで、支給額が15万円 → 10万円に下がることも
・離職前の月給 : 30万円
・再就職後の月給 : 27万円
・失業保険の基本手当日額 : 5,687円
・支給残日数 : 90日(早めに再就職して1日分も失業保険をもらわなかった状態)
→ 2025年4月以降、就業促進定着手当の支給額は「153,549円 → 102,366円(上限額)」に
前のパートで「月給30万円 → 27万円に下がった場合」では、支給額が "153,549円" と紹介しました。
手当の上限額につき当たったケースです。
この場合、2025年4月以降では、上限額の引き下げ改正によって支給額が「153,549円 → 102,366円」に下がります。
約5万円も手当が減ってしまうと、ちょっと痛いですね。
上限額の引き下げ改正の背景とは
なぜ就業促進定着手当の上限額が引き下げられるのか、その背景もすこし触れておきます。
今後は人手不足が深刻化していく中で、「賃金が下がるような再就職にインセンティブを設ける必要性が薄れている」ということが理由にあります。
とはいえ、早期の再就職には一定の役割を果たしていることも事実です。
年間の就業促進定着手当の受給者数は約9万人ほどで、2025年4月に廃止になる "就業手当" よりも圧倒的に受給者数は多いです。
そのため、制度そのものは残ります。
ただし今後の受給者数が減ってきた場合は、先の未来に廃止される可能性はあるかもしれません。
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③ まとめ:就業促進定着手当の制度は今後も残るので、給料下がったら申請しよう
本記事では、「再就職後にもらえる "就業促進定着手当" の上限引き下げ改正」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【就業促進定着手当とは】
・再就職後の給料が、離職前よりも下がった場合に支給される手当
・再就職手当を受給していることが条件
・支給のタイミングは、再就職してから6ヶ月以上経過後
【就業促進定着手当の上限額引き下げ改正(2025年4月)】
・2025年3月以前 : 上限額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 40%
・2025年4月以降 : 上限額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 20%
【月給30万円 → 27万円に下がったケースでの支給額の一例】
・離職前の月給 : 30万円
・再就職後の月給 : 27万円
・失業保険の基本手当日額 : 5,687円
・支給残日数 : 90日(早めに再就職して1日分も失業保険をもらわなかった状態)
→ 2025年4月以降、就業促進定着手当の支給額は「153,549円 → 102,366円(上限額)」に
政府は転職や副業を後押しするため、失業保険や教育訓練給付を拡充している段階です。
給付制限の短縮や、教育訓練給付の引き上げなど、プラスになる改正が多いです。
そんな中で就業促進定着手当の上限引き下げは、マイナスの改正と言えるかもしれません。
ただ、上限額に引っかからなければ影響はないし、制度そのものは残ります。
再就職後の給料が離職前よりも下がったら、"就業促進定着手当" がもらえます。
制度を知らなければ利用できないので、忘れずに申請してくださいね。
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