ETIASって、何...??
こんにちは、キベリンブログです。
海外旅行などでヨーロッパへ入国するとき、必要な手続きが1つ増えます。
今回は、「ヨーロッパの海外旅行に必要なETIASとは」について、紹介します。
【本記事の内容】
海外移住や旅行の経験から、100か国以上に渡航してきました。
忘れると飛行機に乗れなくなる重要な手続きを、わかりやすく紹介していきますね。
① ヨーロッパの入国で必要になる、ETIASとは【2025年まで延期】
ETIAS(エティアス)とは、「European Travel Information and Authorisation System」の略語です。
ヨーロッパへの入国を、オンラインで事前に審査するシステムですね。
日本人は「ビザなしで最大90日(※ETIAS利用国の合計日数)」滞在できますが、渡航前にETIASの申請が必要になる予定です。
ちなみにETIASはビザではないので、まずはそこを押さえておいてくださいね。
ETIASは、EU版のESTA(エスタ)
アメリカへ行くのに必要な「ESTA(電子渡航認証制度)」は、わりと知られていますよね。
ETIASとは、簡単にいうと「ヨーロッパ版のESTA」です。
EU(欧州連合)は犯罪やテロなどのセキュリティ対策として、事前に入国を審査するETIASの導入を決めています。
これまで日本人はヨーロッパに行くとき、事前の申請は不要で、パスポートさえあれば入国できていました。
ETIAS導入後は、オンラインでのETIAS申請で許可が下りないと、ビザを取得しない限り渡航できなくなります。
事前に必要な手続きが1つ増えるということですね。
いつからETIASは導入される?【2025年まで延期】
ETIASは当初、2020年には導入される予定でした。
ところが、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大などで、導入が延期になっています。
「2020年開始予定 → 2021年に延期 → 2022年に延期 → 2023年に延期…」と予定がどんどん延びて、現在では「2025年まで延期」とされています。
(EUの公式サイトで確認)
今後また変更される可能性もあるので、予定には注意しておきましょう。
導入が開始されても、6か月の移行期間中は入国可能に
ETIASはヨーロッパの約30か国(次のパートで詳しく紹介しますね)を巻き込む、かなり大がかりなシステムです。
いきなり運用を開始すれば、当然トラブルも起きますよね。
そこで、導入開始後は「6か月の移行期間」が予定されています。
移行期間中は猶予期間として、ETIASを申請していなくても、その他の条件をクリアしていれば入国できるとしています。
すぐに必須になるわけでないので、ちょっと安心ですね。
次のパートから、より具体的な内容を詳しくみていきます。
② ETIAS申請が必要な国・不要な国【シェンゲン協定がベース】
ETIASを利用する国は、「シェンゲン協定」がベースになっています。
シェンゲン協定とは、加盟国の間では出入国審査なしで自由に国境を越えることができる協定のことですね。
ここで、ヨーロッパでビザなしで滞在できて、ETIAS申請が「必要な国」と「いらない国」を紹介していきます。
ETIAS申請が必要な国【29か国 + 1か国】
【シェンゲン協定の加盟国(29か国)】
アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、ルーマニア、リヒテンシュタイン
※「アンドラ、サンマリノ、バチカン、モナコ」の小国もシェンゲン協定加盟国を経由するため、事実上必要となる
【シェンゲン協定の加盟を申請中の国(1か国)】
キプロス
西欧と中欧では、ほとんどの国でETIASが必要になりますね。
シェンゲン協定加盟国の29か国はもちろん、加盟を申請中の国もETIAS申請が必要になる予定です。
気をつける点としては、「滞在可能日数」と「乗り継ぎ」ですね。
「これらの国々の "合計" で90日まで」しか滞在できません。
また、入国せず飛行機での乗り継ぎ(トランジット)でも、上記の国を経由するときはETIASが必要となります。
乗り継ぎだけの場合は申請を忘れやすいので、注意してくださいね。
ETIAS申請がいらない国【11か国】
アイルランド、アルバニア、イギリス、ウクライナ、コソボ、セルビア、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モルドバ、モンテネグロ、北マケドニア
西欧では、アイルランドとイギリスはシェンゲン協定に加盟していないので、この2か国はETIASの申請が不要です。
それ以外だと、東欧の国が多いですね。
ほとんどの国は、ビザなしで独立して「3ヶ月(90日)」の滞在が可能です。
ベラルーシは以前はビザが必要だったのですが、2018年からビザなしで「30日間」滞在できるようになっています。
③ ETIAS申請での5つのポイント【申請方法・費用など】
ETIASの申請が必要なことがわかったら、具体的な申請方法も気になりますよね。
申請に関するポイントを見ていきましょう。
【ETIAS申請の5つのポイント】
❶ 申請に必要なもの : 4つ
❷ 申請方法 : オンライン申請(10分ほどの申請フォーム入力)
❸ 申請費用 : 7ユーロ(約1,000円)
❹ 審査期間 : 数分で終了
❺ 有効期間 : 3年 or パスポート期限日
ポイントは5つですね。
順番に解説していきます。
❶ 申請に必要なもの : 4つ
・スマートフォンorパソコン(オンライン環境)
・Eメールアドレス
・有効期限内のパスポート
・クレジットカード
申請には、ネット接続できるスマホやパソコンが必要です。
審査の結果はメールで届くので、Eメールアドレスも準備しておきましょう。
パスポート情報を求められるため、パスポートがなければ申請できません。
クレジットカードは申請費用の支払いで必要になります。
※海外用に持っておくと安心できるクレカの条件は、「【必須条件あり】海外向けに作るおすすめクレジットカード3選」で紹介しています。
❷ 申請方法 : オンライン申請(10分ほどの申請フォーム入力)
ETIASの申請は、オンラインのみで可能です。
専用サイトの申請フォームに、個人情報を入力していく形式ですね。
入力は「10分ほど」で終わる内容とされています。
(※2024年現在、専用サイトおよび申請フォームは公開されていません)
❸ 申請費用 : 7ユーロ(約1,000円)
費用は「7ユーロ(約1,000円)」で、クレジットカードによる支払いです。
ただし「18歳以下」と「70歳以上」の人は、無料になります。
❹ 審査期間 : 数分で終了
ほとんどのケースでは、「数分」で許可が下ります。
ただし入力情報の不足など問題があった場合は、30日までかかることもあります。
ETIAS利用国への渡航が決まったら、なるべく早めに申請しておくと安心ですね。
もしETIASの許可が下りなかったときは、各国のビザを申請して取得するしかありません。
❺ 有効期間 : 3年 or パスポート期限日
ETIASの有効期間は、認証されてから「3年間」です。
ただしパスポートの有効期限が3年未満の場合は、パスポートの期限日と同日に、ETIASも有効期限切れになります。
パスポートの期限が迫っていたら、先に更新を考えておいた方が良いですね。
※パスポート更新の詳しい内容は、「【海外移住】パスポート更新いつする?申請と目安時期【ビザも影響】」をご覧ください。
④ まとめ:ヨーロッパの海外旅行は、手続きが1つ増える。渡航できなくなるので要注意
本記事では、「ヨーロッパの海外旅行に必要なETIASとは」について、紹介しました。
ポイントをまとめます。
【ETIASとは】
・ETIASとは、簡単にいうとEU版のESTA(電子渡航認証制度)
・ETIASの導入開始は、2025年まで延期
・導入が開始されても、6か月の移行期間あり(猶予期間として入国可能)
【ETIAS申請が必要な国(30か国)】
・シェンゲン協定の加盟国(29か国)
・シェンゲン協定の加盟を申請中の国(1か国)
(※アイルランドやイギリス、東欧の国々など11か国ほどETIASが不要の国もある)
【ETIAS申請の5つのポイント】
❶ 申請に必要なもの : 4つ
❷ 申請方法 : オンライン申請(10分ほどの申請フォーム入力)
❸ 申請費用 : 7ユーロ(約1,000円)
❹ 審査期間 : 数分で終了
❺ 有効期間 : 3年 or パスポート期限日
ETIASの導入は2020年を予定していましたが、延期が続いてきました。
現状では、「2025年まで延期」という状況ですね。
導入開始から6か月間は、移行期間として猶予が設けられています。
短期での海外旅行だけでなく、ビザなしで長期滞在するノマドワーカーもETIASが必要になります。
ヨーロッパへ渡航する予定のときは、ETIASの申請も頭に入れておいてくださいね。
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