どの国が過ごしやすいのかな?
こんにちは、キベリンブログです。
東南アジアは暖かくて物価も安いし、海外移住しやすいイメージがありますよね。
今回は、「東南アジア移住で人気3か国のおすすめと、物価・生活の10項目比較」について紹介します。
【本記事の内容】
① 東南アジア移住で、マレーシア・タイ・ベトナムの物価・生活の10項目比較【体験談】
② 海外移住で求める目的に応じた、おすすめの国【東南アジアの3つの選択肢】
③ まとめ:東南アジアの人気3ヶ国は、どの国も日本人に長期滞在しやすい
これまでマレーシアに2年以上、タイで2ヶ月半、ベトナムに1ヶ月間ほど移住してきました。
実際の生活経験から、移住後に失敗しないための経験談を語っていきます。
① 東南アジア移住で、マレーシア・タイ・ベトナムの物価・生活の10項目比較【体験談】
東南アジアは海外旅行はもちろん、海外移住先としても人気のエリアです。
中でもマレーシア・タイ・ベトナムは、「海外在留邦人数調査統計(外務省発行)」でも上位で、数万人以上が長期滞在・永住しています。
住みたい国が決まっていればいいのですが、「東南アジアに移住してみたい」という感じだと、どの国を選ぶべきか悩みますよね。
そこで、物価や生活インフラなど目安にするための「10項目」について、まずは比較した一覧を紹介します。
3ヶ国(マレーシア・タイ・ベトナム)の比較一覧【10項目の相対評価】
マレーシア |
タイ |
ベトナム |
|
❶ 物価 | △ | 〇 | ◎ |
❷ インフラ | ◎ | 〇 | △ |
❸ 治安 | ◎ | 〇 | △ |
❹ 公共交通 | ◎ | 〇 | △ |
❺ 食事 | 〇 | △ | ◎ |
❻ 英語 | ◎ | 〇 | △ |
❼ 大気汚染 | ◎ | △ | 〇 |
❽ 騒音 | 〇 | ◎ | △ |
❾ 刺激度 | △ | 〇 | ◎ |
❿ ビザ | ◎ | 〇 | △ |
【※3か国での相対評価】
上の表での評価結果は、3ヶ国の間での「相対評価」です。
絶対評価ではないため、「◎」だからといって一般的な水準としては優れていない項目もあります。(後ほど紹介していきます)
また、たとえ同じひとつの国でも、当然ながら立地や都市によって違いがあります。
移住や各地への旅行も含む体験ベースでの全体的な肌感で評価しているので、その上で参考にしてくださいね。
では各項目について、順番に見ていきましょう。
表だけでは分かりにくい部分にも触れていきます。
❶ 物価
・マレーシア:インフレで特に家賃やホテル代の値上げが厳しく、配車アプリ(Grabなど)も高くなっている
・タイ:家賃など住居費は上がってきているものの、まだ割安に過ごせる
・ベトナム:3ヶ国の中で最も安く、特に家賃やホテル宿泊料、お酒が安い
東南アジアといえば、「物価が安い」ということをイメージしますよね。
でも近年は世界的なインフレの影響で、かなり状況は変わってきています。
すべての分野で物価は上がっていますが、特に値上げが厳しいのは「家賃・ホテル宿泊料」といった住居費です。
住居費は支出に占める割合が大きいので、家賃が上がるとどうしても厳しくなります。
以前のマレーシアでは月4万円台で良いコンドミニアム(ジム・プール付きの高層マンション)がすぐ見つかりましたが、月5万円台でも難しくなってきています。
とはいえ、3か国とも日本よりも割安で過ごせますが、円安の影響もあり以前ほどの物価の安さは薄れています。
❷ インフラ
・マレーシア:コンドミニアムは設備が充実しており、停電などのトラブルも少ない
・タイ:マレーシアに比べると劣るものの生活に問題はなく、ネット環境(WiFi)は高速で安定している
・ベトナム:停電や断水が起こり不安定な面もあるが、通常の生活では問題なく過ごせる
マレーシアとタイでは、「コンドミニアム」がたくさん建っています。
いわゆるタワマンのような高層マンションで、ジム・プール付きは基本、ショッピングモールが併設されているところもあります。
外国人向けでもあるし、コンドミニアムであれば電気や水道といった生活インフラは、問題なく使えます。
特にタイではネット環境が充実していて、WiFiはかなり高速で快適でしたね。
3か国のうちベトナムは、まだコンドミニアムの絶対数も少なく、インフラ面で不安定なところがあります。
停電や断水もたまに起きたりしますが、基本的な生活においてはそこまで大きな問題はありません。
※コンドミニアムの詳しい内容は、「【経験談】マレーシア移住の家賃相場と賃貸契約【部屋の探し方】」で解説しています。
❸ 治安
・マレーシア:治安が良いとは言われているものの、強盗の発生率は日本の約25倍
・タイ:都市部では注意が必要で、日本人をターゲットにしたスリなどが頻発している
・ベトナム:街中で声をかけられることが多く、ぼったくりなどにも警戒が必要
まず基本的に、3か国とも治安はそれほど悪くありません。
夜でも外出できるし、ひとり歩きも可能です。
でも、治安が良いと言われるのは、「海外の中での話」です。
治安がいいとされるマレーシアでも、身近な知人(現地在住)がひったくりに遭っていました。
特にベトナムは、マレーシアやタイに比べると声を掛けられることが多いです。
ぼったくり被害も多く報告されているので、少なくとも日本より悪いことは常に意識する必要がありますね。
❹ 公共交通
・マレーシア:クアラルンプールはLRT(電車)が使いやすく、地方都市は路線バスがある
・タイ:バンコクはBTS(電車)などで便利だが、地方はソンテウ(トラック荷台での乗合バス)がメイン
・ベトナム:ハノイは都市鉄道が開通したが、それ以外は路線バスがメインで使いにくい
クアラルンプールやバンコクの2大都市では、電車(LRT / BTS)は安くて便利です。
渋滞を避けられるのもメリットですね。
それ以外の都市だと、市内の公共交通はバスになりますが、使いにくさは否めません。
マレーシアはバスの車両もきれいで比較的使いやすいですが、タイとベトナムは快適な利用はやや難しいですね。
ベトナムでは2021年にハノイで都市鉄道が初めて開通したものの、路線はまだまだ不十分で、今後の整備計画は遅れています。
バスは道路事情も含めて使いにくいため、ベトナムの公共交通はあまり期待できません。
❺ 食事
・マレーシア:本格的な中華・インド・マレー料理が楽しめるが、炭水化物が多く太りやすい傾向がある
・タイ:スパイシーで油っこい料理が多く、安いローカルフードを毎日食べ続けるのは難しい
・ベトナム:やさしい味であっさりしているので、飽きずに食べられて健康的
短期の海外旅行では、ローカルフードを食べるのが楽しみのひとつですよね。
でも海外移住での長期滞在となると、よほど好きでも毎日食べるのは厳しいし、健康にも影響します。
マレーシアは多民族国家なので、外食では本格的な「中華料理・インド料理・マレー料理」が安く楽しめます。
でも炭水化物の割合が多めで、極端に甘いものが多かったりするなど、気をつけないと太りやすくなります。
タイ料理は胃腸に負担がかかる料理が多いし、安いローカルフードは食べ続けると飽きてきます。
一方でベトナム料理はわりと健康的で、フォーやバインミーなどあっさりめのものが多いので、安くても飽きずに食べられますね。
❻ 英語
・マレーシア:英語を話せる人がほとんどなので、意思疎通にはあまり困らない
・タイ:都市部や観光地では通じやすいが、それ以外の場所では英語が話せない人も多い
・ベトナム:英語が通じるのは都市部のお店やホテルなど限定的で、多くの場所で英語が通じない
英語の通用度は、3か国でかなり違いがあります。
英語を重視して移住するなら、マレーシアの一択ですね。
マレーシアの人たちの多くはバイリンガルで、マレー語と各民族の言語、そして英語も話せます。(ただし完璧ではない)
「マングリッシュ」と呼ばれ、発音に訛りやクセがあって最初は聞き取りにくいかもしれませんが、徐々に慣れてきますよ。
タイは外国人に慣れていることもあって英語を理解してくれることも多いのですが、ローカルなエリアほど通じにくくなります。
最も通じないのはベトナムで、都市部や観光地のお店やホテル以外で、英語を話せる人は少ないですね。
❼ 大気汚染
・マレーシア:ヘイズ(煙害)の問題で、空気が白く霞む
・タイ:バンコクやチェンマイに限らず、都市部から農村まで汚染レベルがどんどん深刻化している
・ベトナム:都市部の汚染が悪化しており、ホーチミンとハノイは世界でもワースト都市
東南アジアでは全体的に大気汚染が広がっており、年々汚染レベルが酷くなっています。
経済発展の影響もあるのですが、近隣諸国の野焼きなども原因のひとつです。
マレーシアは「◎」をつけていますが、3か国の中では「まだマシ」というだけで、決して空気は良くありません。
特に「ヘイズ(煙害)」の問題があり、空気は白く霞んで視界も悪くなります。
最も全体での汚染レベルが酷いのはタイで、特に雨の降らない乾季と暑季は、PM2.5の影響で外出も制限されるほど悪化します。
ベトナムもホーチミンやハノイの都市部は高い汚染度なので、東南アジアから戻ると、まだ日本は空気がきれいな方であることを実感します。
❽ 騒音
・マレーシア:生活騒音はそれほど多くないが、早朝から1日5回のアザーンが響く
・タイ:工事の音を除けば、比較的静かに過ごせる
・ベトナム:音に対する気遣いがなく、バイクのクラクションや大音量のカラオケがうるさい
騒音は個人差の影響が大きいですが、国によって傾向があります。
マレーシアはイスラム教の国なので、どんな町でもモスクがあります。
お祈りの合図であるアザーンが1日5回(夜明け前、正午、午後、日没後、就寝前)、モスクから大音量で響きます。
タイは比較的静かなのですが、工事をやっていることが多いので、工事現場の近くだと騒音に悩まされるかもしれません。
最も騒音が酷いのはベトナムで、基本的に音に対する気遣いがありません。
バイクはクラクションを連発するのが普通だし、普通の家で窓全開でカラオケしたりするので、音に敏感なら要注意ですね。
❾ 刺激度
・マレーシア:資源国で経済は発展して住みやすいが、海外の途上国ならではの刺激は少ない
・タイ:海外の異文化感は味わえるものの、経済成長率は低くなってきている
・ベトナム:経済発展の途上で若い世代が多く、無数のバイクの波などカオス感があり楽しめる
マレーシアとタイは、生活インフラも安定しており、住みやすさは大きなメリットです。
でもその一方で、昔と比べて海外ならではの刺激は薄れているので、物足りなさもあるんですよね。
特にマレーシアは英語も通じるし、そこまで日本と変わらない生活が送れます。
タイでは経済成長の伸びが低くなっていて、成長の中で生まれる活気も感じにくくなっています。
発展途上の刺激を求めて楽しむなら、ベトナムがおすすめです。
日本では感じられない活気の中での生活は刺激になるし、大きな経験になるはずです。
❿ ビザ
・マレーシア:海外転職での就労ビザは取りやすく、デジタルノマドビザやリタイアメントビザもある
・タイ:5年滞在できる長期滞在ビザ(タイランドエリート)は、取得費用が高い
・ベトナム:リタイアメントビザはなく、海外就職による就労ビザ以外での長期滞在は難しい
ビザなし(ノービザ)だと、「マレーシア:90日、タイ:30日、ベトナム:15日」までしか滞在できません。
長期滞在する場合は、ビザが必要になります。
マレーシアとタイでは、2022年からデジタルノマドビザの発行が開始されています。(※タイは収入条件が厳しい)
ベトナムはノマド向けのビザやリタイアメントビザはないため、就労ビザ以外だと難しいですね。
資産などの条件がなく、最も長期滞在しやすいのは、現地の会社に海外転職する方法です。
3か国は日系企業も多いし、就労ビザの取得をサポートしてくれるので、経験からも海外就職はおすすめです。
※海外転職を実現する詳しい方法は、「海外転職を実現するには?方法・ステップを解説【経験談】」をご覧ください。
【ベトナム滞在可能日数の延長について】 2023年8月15日から、ビザなし滞在:15日 → 45日、eビザでの滞在:30日 → 90日までに延長されています。 延長の変更措置に関する詳しい内容は、「【ベトナム】滞在日数が3倍延長!ビザなし・e-visa【2023年8月】」をご覧ください。
② 海外移住で求める目的に応じた、おすすめの国【東南アジアの3つの選択肢】
前のパートで、東南アジア3ヶ国(マレーシア・タイ・ベトナム)を10項目で比較して紹介してきました。
どの国も、日本人にとって海外移住しても過ごしやすいところです。
とはいえ、国によって違った魅力があるし、個別の要素で比べた場合でも悩むと思います。
そこで海外移住で求める目的に応じた、おすすめの国を簡単に触れておきますね。
【海外移住で求める目的に応じた、おすすめの国】
・安定した気候と居心地を求めるなら、マレーシア
・過ごしやすさ+旅行感覚も満喫したいなら、タイ
・経済成長と海外ならではのエネルギーを感じたいなら、ベトナム
安定した気候と居心地を求めるなら、マレーシア
「海外移住では、安定した気候と居心地を求めたい」という場合は、マレーシアがおすすめです。
気温は1年中「24℃~32℃」の範囲で推移し、日本の真夏よりかは過ごしやすい気候です。
日本のように毎日の気温差が激しく変化したり、1日中シトシト雨が降り続いたりしないので、体調は崩しにくくなります。
また、自然災害のリスクが非常に低く、2年以上住んでいても身体で感じる地震はありませんでした。
コンドミニアムに住めば生活インフラも充実しており、困らず快適な生活が送れます。
年齢を重ねてからでも長期滞在しやすいのは、マレーシアの大きなメリットですね。
過ごしやすさ+旅行感覚も満喫したいなら、タイ
タイは仏教の国ですが、宗教的な背景もあってタイの人たちは温厚で優しい人が多いです。
困ったときも親切に対応してくれる人が多いので、心穏やかに過ごしやすいんですよね。
また、タイで観光業はGDPの2割を占める経済の柱です。
観光のための環境が整っており、タイの国内旅行を満喫できます。
外国人に慣れているので、珍しがられてジロジロと視線を感じたりすることもありません。
のんびりと過ごせる穏やかな空気感は、タイならではですね。
経済成長と海外ならではのエネルギーを感じたいなら、ベトナム
ベトナムは高い経済成長率を維持しており、新型コロナウイルスが感染拡大した年でさえも、プラス成長を遂げています。
2022年は、8%以上の経済成長率でした。
人口は1億人に達し、25歳~34歳の若い世代が最も多いです。
街中はカオス感もありながら活気に溢れていて、海外ならではのエネルギッシュさを実感できるんですよね。
ベトナムのような発展途上の国で過ごしていると、いろんな刺激をもらえます。
特に海外就職で移住すると、あなた自身も成長できる環境に身をおけるので、主体的な行動につながりやすいはずです。
【海外転職に強い 転職エージェント 3選】
❶ ランスタッド : 世界39か国に4,700以上の拠点(国内:93拠点)を持つ、世界最大級の総合人材サービス会社。各業界に精通したコンサルタントからサービスを受けられる。
❷ BIZREACH(ビズリーチ) : 海外勤務の求人特集があり、ハイクラスの案件が豊富。転職サイトの位置づけでもあるが、6,200人以上在籍する転職ヘッドハンターに相談でき、登録しておけばスカウトも届く。
❸ Reeracoen(リーラコーエン) : アジア圏の転職に特化し現地10ヶ国・16拠点がある。各拠点に日本人スタッフが常駐しており、アジアで海外転職を目指すならおすすめ。
③ まとめ:東南アジアの人気3ヶ国は、どの国も日本人に長期滞在しやすい
本記事では、「東南アジア移住で人気3か国のおすすめと、物価・生活の10項目比較」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【3ヶ国(マレーシア・タイ・ベトナム)の比較一覧(10項目の相対評価)】
マレーシア |
タイ |
ベトナム |
|
❶ 物価 | △ | 〇 | ◎ |
❷ インフラ | ◎ | 〇 | △ |
❸ 治安 | ◎ | 〇 | △ |
❹ 公共交通 | ◎ | 〇 | △ |
❺ 食事 | 〇 | △ | ◎ |
❻ 英語 | ◎ | 〇 | △ |
❼ 大気汚染 | ◎ | △ | 〇 |
❽ 騒音 | 〇 | ◎ | △ |
❾ 刺激度 | △ | 〇 | ◎ |
❿ ビザ | ◎ | 〇 | △ |
【海外移住で求める目的に応じた、おすすめの国】
・安定した気候と居心地を求めるなら、マレーシア
・過ごしやすさ+旅行感覚も満喫したいなら、タイ
・経済成長と海外ならではのエネルギーを感じたいなら、ベトナム
東南アジアが経済成長を遂げている一方で、日本の経済は30年間停滞してきました。
2022年以降は円安も加速し、世界の中で円の価値は落ちてきています。
東南アジアの物価の安さは、以前より薄れているのは事実です。
とはいえ、人気3ヶ国のマレーシア・タイ・ベトナムでは、今ならまだ割安に過ごせます。
安定した気候のマレーシア、穏やかで過ごしやすいタイ、経済成長の活気あふれるベトナム。
あなたが求める海外移住の目的にあわせて、移住先を選ぶ参考になれば幸いです。
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