このままだと失業保険で損することになるし、どう対処すればいいの?
こんにちは、キベリンブログです。
会社都合を自己都合にされることは、わりと耳にする話です。
今回は、「失業保険で会社都合なのに自己都合にされたときの対処法」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 失業保険の会社都合退職と自己都合退職での条件の違い【会社都合は優遇あり】
② 会社都合なのに自己都合にされたときの対処法【会社都合にしたくない理由】
③ まとめ:失業保険では、会社都合と自己都合の差は大きい。損しないためにも異議申し立てを
失業保険は3回ほど受給してきました。
会社都合と自己都合の条件の違いも含め、わかりやすく語っていきます。
① 失業保険の会社都合退職と自己都合退職での条件の違い【会社都合は優遇あり】
自己都合退職にされたときの対処法に入る前に、失業保険での会社都合と自己都合による違いを紹介しておきますね。
(すでに認識済みであれば、次のパートからご覧ください)
失業保険は、離職理由(会社都合・自己都合)によって給付日数や給付制限などの条件に違いがあります。
会社都合は自己都合よりも条件面で優遇されているため、会社都合退職の方が失業保険ではお得になるしくみになっています。
失業保険で会社都合退職が優遇される条件
自己都合退職 |
会社都合退職 |
|
受給資格 |
雇用保険の加入期間:12か月以上 |
雇用保険の加入期間:6か月以上 |
給付日数 |
90 ~ 150日 |
90 ~ 330日 |
給付制限 |
あり(2か月後に支給開始) |
なし |
健康保険料 |
軽減措置:なし |
軽減措置:あり |
・雇用保険の加入期間が半年で受給できる(受給資格が得やすい)
・給付日数が長くなる(失業手当の金額が増える)
・2ヶ月の給付制限がない(すぐに支給が開始される)
・国民健康保険料が軽減措置で安くなる(所得総額を30%で計算)
会社都合退職が失業保険で優遇されている点をまとめると、上記のとおりです。
4つの項目を比べてみれば、会社都合はかなり有利になることがわかると思います。
「月給25万・年齢30歳・5年間勤務」の例では、失業保険の金額は2倍の違いがある
・自己都合退職の場合 : 497,790円(給付日数 90日)
・会社都合退職の場合 : 995,580円(給付日数 180日)
失業手当の金額の差をイメージしやすくするために、具体例で計算してみます。
「月給25万・年齢30歳・5年間勤務」の場合、会社都合は自己都合よりも「2倍(約50万円)」ほど多くもらえます。
これだけ違うなら、自己都合にされたら大きな損になりますよね。
しかも、給付制限がないので、2ヶ月待たずに支給が始まることも大きいです。
自己都合と会社都合の給付日数の違い
【自己都合退職の給付日数】
【会社都合退職の給付日数】
給付日数の違いを自己都合・会社都合で見てみると、上の表のとおりです。
(画像はハローワークのサイトから引用)
失業保険の支給は「1日単位」で計算されますが、給付日数が多いほど支給額も高くなります。
会社都合の方が給付日数が増えやすくなっていますよね。
自己都合は最大でも150日ですが、会社都合は330日までと長くなっています。
年齢によっても分類されており、60歳までは高くなるほど給付日数が優遇されます。
※会社都合退職(特定受給資格者)に当てはまる具体的な理由については、「特定受給資格者(会社都合退職)になる条件【3つのメリット】」をご覧ください。
② 会社都合なのに自己都合にされたときの対処法【会社都合にしたくない理由】
失業保険における会社都合と自己都合の条件の違いがわかったら、会社都合なのに自己都合にされた場合の対処法を見ていきましょう。
確実に対処すれば、自己都合を会社都合に変えることは可能です。
会社側が「会社都合退職にさせたくない理由」にも、触れていきますね。
【会社都合なのに、自己都合にされたときの対処法】
ステップ1 : 会社に離職票の問合せをする
ステップ2 : ハローワークに異議申し立てを行う
ステップ1 : 会社に離職票の問合せをする
会社から送られてきた離職票が自己都合退職にされていたら、まずは会社に問合せをしてみましょう。
単純な事務上のミスの可能性もあるし、そのケースなら離職票の訂正に応じてくれるはずです。
もし会社側が、会社都合退職であることを認識の上で自己都合にされている場合、依頼しても訂正してくれないケースもあり得ます。
その場合は、無理に頼み続ける必要はありません。
次のステップ2へ進みましょう。
会社に連絡しにくいときも、ステップ2へ進んでOKです。
ステップ2 : ハローワークに異議申し立てを行う
ハローワークへ失業保険の申請に行くと、あなたから言わなくても「離職票の離職理由は間違っていないか?」を必ずハローワークの担当者から聞かれます。
「会社都合なのに自己都合にされている」ことを伝えて、異議申し立てを行いましょう。(離職票に署名欄もあります)
会社を管轄するハローワークが事実確認の調査を行い、改めて離職理由の確認を行ってくれます。
会社都合退職であることを裏付ける書類などがあれば、持っていって提示しておくといいですね。
調査には1ヶ月ほどかかるため、失業保険の受給は遅れることになります。
ですが自己都合として処理されると、あなたが損してしまうことになるので、必ず異議申し立てすることをおすすめします。
なぜ会社は、会社都合退職にしたくないのか【理由あり】
すこし補足ですが、会社側が "会社都合退職にしたくない" ことには、実は理由があります。
それは、政府(厚生労働省)から「助成金」が支給されるからですね。
直近で会社都合退職者が出てしまうと、会社は助成金の対象になりません。
そのため助成金を目的にしている会社は、会社都合を認めず、自己都合退職として処理したいわけです。
もし会社側が「自己都合 → 会社都合」への訂正を何かと理由をつけて拒否するようなら、無理に依頼し続ける必要はありません。
すぐにハローワークへ相談するようにしましょう。
※離職票に記載される離職理由コードの内容は、「【失業保険】離職理由コードと、健康保険の軽減対象とは【理由一覧】」で解説しています。
③ まとめ:失業保険では、会社都合と自己都合の差は大きい。損しないためにも異議申し立てを
本記事では、「失業保険で会社都合なのに自己都合にされたときの対処法」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【失業保険で会社都合退職が優遇される条件】
自己都合退職 |
会社都合退職 |
|
受給資格 |
雇用保険の加入期間:12か月以上 |
雇用保険の加入期間:6か月以上 |
給付日数 |
90 ~ 150日 |
90 ~ 330日 |
給付制限 |
あり(2か月後に支給開始) |
なし |
健康保険料 |
軽減措置:なし |
軽減措置:あり |
・雇用保険の加入期間が半年で受給できる(受給資格が得やすい)
・給付日数が長くなる(失業手当の金額が増える)
・2ヶ月の給付制限がない(すぐに支給が開始される)
・国民健康保険料が軽減措置で安くなる(所得総額を30%で計算)
【会社都合なのに、自己都合にされたときの対処法】
ステップ1 : 会社に離職票の問合せをする
ステップ2 : ハローワークに異議申し立てを行う
失業保険では、離職理由で大きく条件が変わります。
会社都合退職は自己都合よりも優遇されており、失業手当の給付額で2倍ほどの差が出ることもあります。
会社が助成金を求めていたりすると、会社都合なのに自己都合にされることもあるんですよね。
そのまま泣き寝入りすると、あなたが損をすることになります。
会社が対応してくれなくても、ハローワークに異議申し立てができます。
損しないためにも、必ずハローワークに相談するようにしてくださいね。
-
【失業保険】求職活動実績を1日で2回作るには?当日の作り方を解説
お悩み相談明日が失業認定日だったの忘れてた! 2回の求職活動実績がないと失業保険がもらえなくなる...。何か方法あるかな? こんにちは、キベリンブログです。 認定日が迫って ...
続きを見る
-
失業認定申告書の書き方を求職活動実績の記入例で解説【失業保険】
お悩み相談失業認定申告書の書き方を、求職活動実績の方法別に教えて欲しいです。 こんにちは、キベリンブログです。 失業保険をもらうには、失業認定申告書を認定日にハローワークへ ...
続きを見る
-
セミナーも求職活動実績に!【ハローワークvs転職エージェント】
お悩み相談就職セミナーの受講も、求職活動実績になるんだ! 受け方とか注意点を知っておきたいな。 こんにちは、キベリンブログです。 失業保険は求職活動実績が必要ですが、セミナ ...
続きを見る