会社都合じゃないの!?
こんにちは、キベリンブログです。
ハラスメントや長時間労働での退職理由は、会社都合になることを知っていますか?
今回は、「パワハラ・長時間残業は会社都合退職であり、失業保険で有利な4つのメリット」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 自己都合と勘違いしやすい会社都合退職になる理由【パワハラ・長時間労働】
② 会社都合退職だと、失業保険で有利になる点とは【4つのメリット】
③ 失業保険での自己都合・会社都合の判断は、ハローワークが行う【離職票をチェック】
④ まとめ:パワハラ・長時間残業は会社都合退職になるので、損しないようにしよう
失業保険はこれまで3回受給してきました。
経験から、会社都合だと有利になるポイントを語っていきますね。
① 自己都合と勘違いしやすい会社都合退職になる理由【パワハラ・長時間労働】
自分から退職届を出して辞めたら、自己都合だと思ってしまいますよね。
ところが、ハラスメントや長時間労働が理由で辞めた場合は、失業保険では「会社都合退職」になります。
【自己都合と勘違いしやすい会社都合退職になる理由】
・パワハラやセクハラなど、ハラスメントで退職
・残業時間が多いことによる、長時間労働で退職
パワハラやセクハラなど、ハラスメントで退職
日本の職場では、パワハラとかセクハラといった嫌がらせが起こりやすいですよね。
厚生労働省が提示している「パワハラの3要素」は、以下のとおりです。
【パワハラの3要素】
❶ 優越的な関係を背景とした言動
❷ 業務の適正な範囲を超えた言動
❸ 身体的 or 精神的な苦痛を与える、または就業環境を害すること
この「パワハラの3要素」をすべて満たすものが、パワハラと定義しています。
具体的には「上司から人格を否定するような発言を受けた」「長期にわたり別室に隔離された」といったことをされたら、パワハラになります。
残業時間が多いことによる、長時間労働で退職
私も最初は知らなかったのですが、残業時間が規定よりも多かった場合は会社都合になります。
具体的な残業時間の規定は、以下のとおり。
【会社都合となる残業時間の規定(※離職直前の6か月間のうち)】
・3か月連続で、残業が「45時間」を超える
・2か月連続で、残業が「80時間」を超える
・1か月の残業が「100時間」を超える
上記3つのうち、「どれかひとつ」でも当てはまれば、会社都合です。
あまり知られていない内容なので、押さえておいてくださいね。
② 会社都合退職だと、失業保険で有利になる点とは【4つのメリット】
なぜ自己都合より会社都合が良いかというと、「失業保険で有利になる」からですね。
会社都合で有利になる4つのメリットを、見ていきましょう。
【会社都合退職だと、失業保険で有利になる4つのメリット】
❶ 受給に必要な雇用保険の加入期間が、最短で6か月と短い
❷ 給付日数が増える可能性が高く、年齢が上がるほど増えやすい
❸ 給付制限がないので、すぐに受給できる
❹ 健康保険料の軽減措置を受けられる
それぞれ説明していきますね。
❶ 受給に必要な雇用保険の加入期間が、最短で6か月と短い
自己都合の場合は、最低でも「1年」は雇用保険に加入していないと、失業保険はもらえません。
一方で会社都合なら、「6か月」あれば失業保険がもらえます。
半年働いていれば受給できるのは、メリットですね。
❷ 給付日数が増える可能性が高く、年齢が上がるほど増えやすい
失業保険の金額は、給付日数が増えるほど多くもらえることになります。
給付日数はどう決まるかというと、以下の表のとおりです。(表はハローワークのHPより引用)
上の表が「自己都合」で、下の表が「会社都合」ですね。
雇用保険の加入期間が長いほど、給付日数は増えていきます。
自己都合だと年齢は関係ありませんが、会社都合は年齢も影響しており、給付日数が増えやすくなっていますよね。
60歳以上だけは例外ですが、基本的に年齢が高いほど給付日数も増えます。
❸ 給付制限がないので、すぐに受給できる
自己都合だと「2か月の給付制限」があるので、2か月が経たないと失業保険はもらえません。
経済的に苦しいと、「受給まで2か月も待たされるのは、正直つらい...。」と思いますよね。
会社都合は給付制限がないので、7日間の待期期間さえ終われば、すぐに支給が開始されます。
❹ 健康保険料の軽減措置を受けられる
これは失業保険ではないのですが、会社を辞めると自治体の健康保険に入ることになります。
このとき自己都合では、健康保険料は軽減されません。
ところが会社都合だと、「国民健康保険料」の軽減措置を受けられるんですよね。
健保の軽減措置は意外と大きくて、「約20万円(退職前の年収が300万の例)」ほど保険料が安くなりますよ。
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③ 失業保険での自己都合・会社都合の判断は、ハローワークが行う【離職票をチェック】
失業保険における退職理由の最終的な判断は、「ハローワーク」が行います。
どうやって判断するのかを説明していきますね。
失業保険の申請時に、ハローワークは離職票の「離職理由」を確認する
失業保険の申請には、「離職票」という書類が必要です。
離職票には、給料の金額や「離職理由」が書かれていて、会社が記入します。
失業保険の申請に行くと、ハローワークは必ず「離職票に書かれた離職理由に間違いがないか?」を聞いてくれます。
離職理由が間違っていたら、必ず申し立てしよう
もし離職理由が間違っていたら、失業保険の申請のタイミングで必ず申し立てを行いましょう。
なぜなら、ここで「自己都合・会社都合」が決まるからですね。
例えば、「パワハラが理由で退職したのに、自己都合で処理されている」といった場合ですね。
会社は、会社都合の退職者が多いと国から補助金をもらえなくなるので、自己都合にさせることが多いです。
証拠があったら、できるだけ準備しておこう
離職理由が違うことを申し立てると、ハローワークが会社を調査して、その結果で離職理由を判断します。
もし証拠となる書類などがあったら、用意しておきましょう。
長時間労働が理由なら、「給与明細」や「タイムカード」などで残業時間を証明できますよね。
パワハラの証拠は難しいかもしれませんが、メールや録音データなどがあれば使えるはずです。
調査には1か月ほどかかりますが、そのままにするとあなたが損をすることになります。
証拠がなかったとしても、離職理由が違っていたら申し立てを行いましょう。
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④ まとめ:パワハラ・長時間残業は会社都合退職になるので、損しないようにしよう
本記事では、「パワハラ・長時間残業は会社都合退職であり、失業保険で有利な4つのメリット」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【自己都合と勘違いしやすい会社都合退職になる理由】
・パワハラやセクハラなど、ハラスメントで退職
・残業時間が多いことによる、長時間労働で退職
【会社都合退職だと、失業保険で有利になる4つのメリット】
❶ 受給に必要な雇用保険の加入期間が、最短で6か月と短い
❷ 給付日数が増える可能性が高く、年齢が上がるほど増えやすい
❸ 給付制限がないので、すぐに受給できる
❹ 健康保険料の軽減措置を受けられる
パワハラや長時間残業が原因でも、自分から辞めたら自己都合と考えてしまいますよね。
規定で決まっていることなので、会社都合として認められます。
ですが、会社にとって不利益があるので、「会社都合」なのに「自己都合」で処理されることが多いです。
離職理由が間違っていたら、損しないよう申し立てを行ってくださいね。
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