でも契約期間が終了するだけだし、退職とかあるの??
こんにちは、キベリンブログです。
正社員は退職届を出して辞めるのが一般的ですが、派遣社員の退職はすこし違います。
今回は、「派遣社員の退職手順と注意点」について、解説します。
【本記事の内容】
① 派遣社員の辞め方とは?退職手順と注意点を解説【退職届は不要】
② 退職理由が自己都合・会社都合になるか要注意【失業保険に影響大】
③ 派遣社員は契約途中に退職できる?【合意解約は難しい】
④ 心と身体が疲れて退職手続きがつらいなら、「退職代行」を利用しよう【無理しなくて大丈夫】
⑤ まとめ:派遣社員に関するルールを押さえて、退職しよう
正社員・派遣社員それぞれでの退職を経験しました。
経験から派遣社員の辞め方について、正社員との違いも含めて語っていきますね。
※正社員の辞め方については、「正社員の会社の辞め方とは?退職手順と注意点【経験談】」で解説しています。
① 派遣社員の辞め方とは?退職手順と注意点を解説【退職届は不要】
派遣社員は、3か月とか決まった期間で契約を結びますよね。
まずは、契約が終了するタイミングでの退職手順を説明していきます。
【派遣社員の契約終了での退職手順】
1. 派遣会社の営業担当に、退職の意思を伝える【契約終了の1か月前まで】
2. 営業担当から派遣先へ伝わったら、引継ぎ開始【先走りに注意】
3. 有給休暇の取得スケジュールを調整して退職
4. 派遣会社へ保険証の返却と、離職票・源泉徴収票の受取
1. 派遣会社の営業担当に、退職の意思を伝える【契約終了の1か月前まで】
退職の意思が固まったら、最初に「派遣会社の営業担当」へ退職することを伝えます。
私の場合は、いつも契約終了の1か月半ほど前に営業担当と「契約を更新するか?」を確認する面談がありました。
その面談で契約を更新しない旨と、退職の意思を伝えました。
意思が固まっていれば早めに伝えた方がいいですが、遅くとも「契約終了の1か月前まで」には伝えましょう。
派遣会社の登録も解除するなら、その旨も合わせて伝えます。
ここで気をつけるのは、退職の意思を伝えるのは「派遣先の会社ではない」ことに注意してくださいね。
先に派遣先へ伝えてしまうと、大きなトラブルになりますので。
【退職届は不要】
正社員が退職するときは、退職届を出すのが一般的ですよね。
契約期間に定めのある派遣社員の場合は、「退職届は不要」です。
派遣会社の中には退職届の提出を求めてくるところもありますが、「提出しなくてOK」です。
私も退職届を求められましたが、不要と判断して提出せず、特に問題なく派遣社員を辞めました。
退職届を出してもいいのですが、提出すると「会社都合の退職だったはずが、自己都合で処理されてしまう」こともあります。
自己都合で処理されると失業保険の条件が不利になるので、その恐れがあるなら出さない方がいいですね。
2. 営業担当から派遣先へ伝わったら、引継ぎ開始【先走りに注意】
営業担当に退職意思を伝えたら、間もなく営業担当から派遣先へあなたの退職が伝わります。
先走って、すぐにあなたから派遣先に伝えないよう注意しましょう。
退職することがいつ頃に営業担当から派遣先へ伝わるのか、状況を確認しておくと安心です。
退職が派遣先に展開されたら、引継ぎ作業を進めていきます。
3. 有給休暇の取得スケジュールを調整して退職
派遣社員でも6か月以上勤務すれば、有給休暇の取得が法律でも認められています。
日数が残っているなら、業務状況を見てすべて消化できるよう調整しましょう。
最終出勤日は、退職の挨拶をする場を設けられることが多いです。
事前に考えておくと、焦らずに済みますよ。
もしそういった場がなければ、口頭やメールで簡単に挨拶しておくと良いですね。
派遣先で使っていたデスクの掃除や身の回りのものを整理し、備品を返却して勤務終了となります。
4. 派遣会社へ保険証の返却と、離職票・源泉徴収票の受取
退職日を過ぎたら、派遣会社から保険証を返送するよう求められるので、返送方法を確認して送り返します。
「離職票」と「源泉徴収票」は、発行を依頼しておきましょう。
失業保険は、自己都合退職では雇用保険に「12か月以上」、会社都合退職では「6か月以上」加入していれば、派遣社員でも受給できます。
以上4つの手順で、派遣社員の退職手順は完了です。
※失業保険を受給する流れは、「失業保険の受給の流れとスケジュール【自己都合退職は給付制限あり】」で解説しています。
② 退職理由が自己都合・会社都合になるか要注意【失業保険に影響大】
退職の意思は、まず「派遣会社の営業担当」へ伝えますが、そのときに「退職理由」を聞かれます。
そこでの退職理由が「自己都合」か「会社都合」になるか分かれるので、注意しておきましょう。
なぜなら、退職理由が「失業保険の受給額と給付制限」に影響するからですね。
会社都合での退職は自己都合と比べて、失業保険の条件が有利になります。
ただ転職先が決まっている場合は、特に気にしなくてもOKです。
派遣社員の自己都合退職になるもの
・契約の更新を、自分から断った場合
・契約満了までに、派遣会社から次の仕事を紹介されたが正当な理由なく断った場合
基本的に自分から断ると、「自己都合退職」として扱われます。
派遣社員の会社都合退職になるもの
・希望しているのに契約が更新されず、契約満了までに派遣会社に次の仕事が紹介されない場合
・賃金が支払われないため退職
・残業時間が連続3か月で45時間、連続2か月で80時間、1か月100時間を超えたため退職
・セクハラ、パワハラなどハラスメントによる退職
上記のような場合は、「会社都合退職」になります。
残業時間が基準を超えていた場合や、セクハラなどのハラスメントが理由の場合は、会社都合退職になることに注意しておきましょう。
※ 以前は、「契約終了から1か月待たないと、会社都合にならない」という待機ルールがあったのですが、平成21年の雇用保険制度改正で「撤廃」されました。
多くのサイトでは古い情報を掲載していますが、すでに法律は改正されています。
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③ 派遣社員は契約途中に退職できる?【合意解約は難しい】
契約期間の途中での退職は、原則としてできないものとされています。
でも、法律では次のどちらかの場合に、退職を認めています。
【派遣社員の契約途中での退職が認められる場合】
・「やむを得ない事由(健康上の問題や家族介護など)」なら、直ちに契約の解除が可能
・派遣会社が退職の承諾に合意すれば、退職できる(合意解約)
つまり、「やむを得ない事由」がないときは、派遣会社が退職の承諾に合意する「合意解約」しかありません。
でも派遣会社や派遣先に損害を与えずに退職を承諾してもらうのは、難しいでしょう。
派遣会社の承諾を得ずに辞めると、損害賠償を請求される可能性もあります。
実際にはほとんどありませんが、注意してくださいね。
「2週間前に退職届を出せば退職できる」という法律は、派遣社員には適用外
よく「2週間前に退職届を出せば、法律上は退職できる」と言われますよね。
でもこの法律は、正社員など「無期契約」における法律です。
「有期契約」の派遣社員に対しては、適用されません。
トラブルになった場合でもこの法律は使えないので、気をつけておきましょう。
④ 心と身体が疲れて退職手続きがつらいなら、「退職代行」を利用しよう【無理しなくて大丈夫】
ここまで、派遣社員の退職手順を説明してきました。
でも、「つらくてもう会社に行けない...。」といった状態になることもありますよね。
特に派遣社員は下に見られてしまうことも多く、不当な扱いを受けやすいです。
心や身体が疲れてしまって退職手続きが苦しいなら、紹介した退職手順を行う必要はありません。
退職の事務手続きを代行してくれる「退職代行サービス」を利用しましょう。
退職代行サービスは、3~5万円ほどの費用が一般的です。
ですが出社せずに退職手続きを代行してくれるので、ひとりで悩み続けずに済みます。
最も大切なのは、心と身体の健康ですよね。
壊してしまってからでは手遅れになります。
つらいときは無理して悩まずに、退職代行を使いましょう。
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⑤ まとめ:派遣社員に関するルールを押さえて、退職しよう
本記事では、「派遣社員の退職手順と注意点」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【派遣社員の契約終了での退職手順】
1. 派遣会社の営業担当に退職の意思を伝える【契約終了の1か月前まで】
2. 営業担当から派遣先へ伝わったら、引継ぎ開始【先走りに注意】
3. 有給休暇の取得スケジュールを調整して退職
4. 派遣会社へ保険証の返却と、離職票・源泉徴収票の受取
【派遣社員の自己都合退職になるもの】
・契約の更新を、自分から断った場合
・契約満了までに、派遣会社から次の仕事を紹介されたが正当な理由なく断った場合
【派遣社員の会社都合退職になるもの】
・希望しているのに契約が更新されず、契約満了までに派遣会社に次の仕事が紹介されない場合
・賃金が支払われないため退職
・残業時間が連続3か月で45時間、連続2か月で80時間、1か月100時間を超えたため退職
・セクハラ、パワハラなどハラスメントによる退職
繰り返しですが、退職の意思が固まったら、まず最初に「派遣会社の営業担当」に退職を伝えましょう。
誤って「派遣先の責任者」に伝えてしまうと、不要なトラブルを招き、派遣会社のイメージを悪くする原因になります。
でも、心と身体が疲れてしまっていたら、無理にあなただけで退職手続きを行う必要はないですよ。
ひとりで悩まず、退職代行サービスを利用してください。
派遣社員は、正社員よりも少ない手順で退職できます。
新たなスタートに向けて、踏み出していきましょう。
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