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【クリーニング特約】賃貸契約で退去時にぼられる理由と特約の交渉術

【クリーニング特約】賃貸契約で退去時にぼられる理由と特約の交渉術

 

お悩み相談
賃貸の申し込みをして審査も通ったし、後は契約するだけだ。
契約って慣れてないし、どんなことに注意しておけばいいんだろう?

 

こんにちは、キベリンブログです。

不動産屋がつくる契約書には、ぼられる特約が隠されています。

今回は、「賃貸契約で退去時にぼられる特約と、特約を削除させる交渉術」について紹介します。

 

【本記事の内容】

① 賃貸借契約書の特約(クリーニング・原状回復)とは?【9割以上の契約書に隠されている】

② 退去でぼられないために、特約を削除させる方法とは?【ガイドラインの知識が武器】

③ まとめ:退去時の費用トラブルは、できるだけ契約時に特約を削除することが重要

 

以前は原状回復の原則など知らなかったので、不動産屋の言いなりでした。

失敗した経験から、ぼられない方法をシェアしていきますね。

 

① 賃貸借契約書の特約(クリーニング・原状回復)とは?【9割以上の契約書に隠されている】

① 賃貸借契約書の特約(クリーニング・原状回復)とは?【9割以上の契約書に隠されている】

① 賃貸借契約書の特約(クリーニング・原状回復)とは?【9割以上の契約書に隠されている】

 

"特約" とは、当事者の間で交わされる特別な条件や約束のことです。

賃貸借契約で、よく盛り込まれている特約の具体例を見ていきましょう。

 

特約(クリーニング特約・原状回復の特約)の具体例

・クリーニング代は借主負担とし、貸主の指定業者がクリーニングを行う

・エアコン清掃代は賃借人の負担とする

・鍵交換の費用は借主の負担とする

・クッションフロア、クロスの張替え費用は借主負担とする

 

書き方にすこし違いはあったりしますが、上記のような内容で書かれていることが多いです。

特約は、「原状回復の原則から外れた条件になる」ということですね。

 

賃貸借契約における原状回復の原則とは?

ここで、賃貸の「原状回復の原則」を確認しておきましょう。

 

【原状回復の原則】

・貸主の負担 : 通常使用による損耗、経年劣化、業者に依頼するような専門的な清掃

・借主の負担 : 通常を超えるような使用による損耗、故意や過失、善管注意義務違反(一般的な注意を怠ること)

 

この「原状回復の原則」は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で決められています。

ちなみに、貸主が「オーナー(大家さん)」で、借主が「借りる人(あなた)」のことですね。

 

業者に依頼するような退去時のクリーニング代は、故意・過失などの損耗がなければ、原則として「貸主の負担」です。

あまり知られていないですよね。

 

また、原状回復とは「借りた当時の状態に戻すこと」ではありません。

勘違いしやすいので、注意しておいてくださいね。

 

※「善管注意義務」の詳しい内容は、「【賃貸】善管注意義務違反に注意!退去費用で損しない方法【具体例】」をご覧ください。

 

「通常の清掃」を行っていれば、借主はクリーニング費用の負担は必要ない

借主の負担になるような損耗がなく、日常的に「通常の清掃」を行っているなら、原状回復およびクリーニング費用を負担する必要はありません。

ここでいう「通常の清掃」とは、以下のような内容です。

 

【通常の清掃の具体的内容】

・ゴミの除去

・掃き掃除

・拭き掃除

・水回り

・換気扇

・レンジ回りの油汚れの除去 など

 

借主のあなたが自分でも行える、専門業者に依頼する必要のない一般的な掃除ですよね。

この「通常の清掃」の内容も、国交省の「ガイドライン」に書かれています。

 

知らないことをいいことに、契約書の9割以上は特約が盛り込まれている

ですが、部屋を借りる多くの人は、「原状回復の原則」なんて知らないですよね。

もちろん私も知りませんでした。

 

請求された退去費用を、言われるがまま払っていたんですよね。

知らないことをいいことに、契約書に「クリーニング特約」を盛り込んでいるのです。

 

業界の人に確認したら、不動産屋がつくる契約書の「9割以上」は、特約を入れているとのことでした。

そもそも「原状回復の原則」を知らなければ、特約を削除してもらうことなんて不可能ですよね。

 

退去費用のぼったくりをできるだけ防ぐには、「契約する時に、不利な特約に気づくこと」が重要になってきます。

 

② 退去でぼられないために、特約を削除させる方法とは?【ガイドラインの知識が武器】

② 退去でぼられないために、特約を削除させる方法とは?【ガイドラインの知識が武器】

② 退去でぼられないために、特約を削除させる方法とは?【ガイドラインの知識が武器】

 

退去費用のぼったくりを防ぐには、「契約時に契約書の特約を削除しておく」ことが有効です。

なぜなら、不動産屋が盛り込んだ特約をそのまま契約してしまうと、「契約書に書いてある」ということを盾にして請求してくるからですね。

 

(契約書に書いていなくても、知らないことをいいことに請求してくる悪質なところもありますが...。)

ただし、契約書の特約は、書いてあったらすべて有効となるわけではありません。

 

特約の有効性を満たすには、クリーニング費用の金額や範囲を明確にするなど、具体的に記載する必要があります。

このあたりは「過去の判例(平成17年12月16日 最高裁の判決)」からも、証明されている内容です。

 

要するに、「退去のクリーニング費用は借主負担とする」という記載だけでは、有効にならないんですよね。

でもそんなことは一切無視して、管理会社は「契約書に書いてある」の一点張りで請求してきます。

 

契約時に特約を削除しておけば、退去時のぼったくりに遭う確率はぐっと下がりますよ。

 

特約を削除させるには、国交省の「ガイドライン」の知識が武器になる

特約は、「借りる人(あなた)にとって不利な内容」です。

不動産屋の店舗で契約手続きを行うのが一般的ですが、特約が不利であることなど、契約時にはもちろん教えてくれません。

 

なので特約の削除を求めるには、特約が「借主にとって不利だと判断する根拠」が必要です。

その根拠が、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」なんですよね。

 

もう一度ポイントを確認してみましょう。

 

【原状回復の原則】

・貸主の負担 : 通常使用による損耗、経年劣化、業者に依頼するような専門的な清掃

・借主の負担 : 通常を超えるような使用による損耗、故意や過失、善管注意義務違反(一般的な注意を怠ること)

 

【クリーニング費用の負担】

・借主が日常的に「通常の清掃」を行っていれば、借主はクリーニング費用の負担は必要ない

(通常の清掃の具体例 : ゴミの除去、掃き掃除、拭き掃除、水回り、換気扇、レンジ回りの油汚れの除去 など)

 

契約に行く前にガイドラインのポイントだけでも覚えておけば、特約を削除させるのに有効に使えます。

クリーニング特約など「原状回復の原則」から見て借主に不利な特約があれば、以下のような伝え方で特約の削除を求めましょう。

 

【賃貸契約時に、特約を削除させる交渉の伝え方の例】

・「国交省のガイドラインで、業者によるクリーニング費用は貸主の負担と決まっていますよね? 特約は削除してください」

・「ガイドライン上でエアコンの内部清掃は通常の清掃を超える内容なので、エアコン清掃代の借主負担は削除してください」

・「広告(物件の募集チラシ)にも退去クリーニング費用は書かれていないですよね? 削除してください」

・「この特約は契約に来て初めて知りました。すぐ受け入れられる内容ではないので、削除してください」

・「なぜ借主に不利な特約があるのでしょうか? 削除できないなら、その根拠を教えてください」

 

繰り返しですが、ガイドラインの知識は、交渉時の武器として有効に使えます。

私もこの方法で、特約の削除の交渉に成功しました。

 

【不動産広告の内容について】

不動産広告(賃貸物件の募集チラシ)には、「借主が負担すべき費用は、必ず明記しなければならない」という表記ルールがあります。

「チラシには載っていなかった内容が、契約書に盛り込まれている!」という怪しい内容があったら、知っておけば交渉で有効に使えます。

ただ、表記ルールに違反しても強い罰則があるわけではないし、特約の費用請求とは別の話なので、その点には注意してくださいね

 

契約書の特約の削除・訂正は、二重線で消して押印する

特約の削除交渉に成功したら、契約書などの書類への対処も忘れないようにしましょう。

削除のしかたは、「書類の該当する内容を二重線で消し、上から押印(あなたと不動産屋の担当者の印鑑を押す)」すればOKです。

 

【賃貸契約の書類について】

賃貸の契約をするときは、おもに以下の書類を使って契約を行います。

・賃貸借契約書

・重要事項説明書

・賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(※東京都の条例に基づく書類で、通称「東京ルール」)

特約の書かれ方は、それぞれの書類でバラバラだったりします。

「賃貸借契約書」には書かれているのに、「重要事項説明書」には書かれていないということもあります。

すこし大変ですが、すべての書類の内容に注意しておきましょう。

削除するべき特約があったら、賃貸借契約書だけでなく、すべての書類で該当する内容を削除しておくと安心です。

 

不動産広告(賃貸物件の募集チラシ)に特約が書かれていたら、難しい可能性あり

多くの場合は、契約書に特約の内容をコッソリ盛り込んでいることが多いです。

契約のときに初めて知る内容なので、紹介した方法でわりと簡単に特約を削除できます。

 

一方で、特約の削除が難しいケースがあります。

それは、「不動産広告(賃貸物件の募集チラシやサイトなど)に、特約の内容が明記されていた場合」です。

 

なぜなら、「申し込み前の段階から特約を知っていて、受け入れた上で契約に来ている」と認識されるからですね。

その場合、特約を認めることが契約の条件になっている可能性が高いです。

 

例えば、チラシやサイトに「退去時クリーニング費用 ○○円」と具体的な金額まで書かれていることがありますよね。

このように募集チラシに書かれた特約の場合は、契約の場での削除は難しくなるので、注意しておきましょう。

 

このケースで交渉するなら、問合せした段階か、もしくは内見の前後のタイミングが良いですね。

 

※契約書の対処を行えば不当な請求に遭う確率は下がるのですが、それでも退去時に敷金を全額返してもらえない場合があります。

そういった場合の対処法は、「【経験談】敷金を取り返す内容証明郵便と送り方【e内容証明で簡単】」をご覧ください。

 

③ まとめ:退去時の費用トラブルは、できるだけ契約時に特約を削除することが重要

③ まとめ:退去時の費用トラブルは、できるだけ契約時に特約を削除することが重要

③ まとめ:退去時の費用トラブルは、できるだけ契約時に特約を削除することが重要

 

本記事では、「賃貸契約で退去時にぼられる特約と、特約を削除させる交渉術」を紹介しました。

ポイントをまとめます。

 

【借主が不利となる特約(クリーニング特約・原状回復の特約)の具体例】

・クリーニング代は借主負担とし、貸主の指定業者がクリーニングを行う

・エアコン清掃代は賃借人の負担とする

・鍵交換の費用は借主の負担とする

・クッションフロア、クロスの張替え費用は借主負担とする

 

【原状回復の原則】

・貸主の負担 : 通常使用による損耗、経年劣化、業者に依頼するような専門的な清掃

・借主の負担 : 通常を超えるような使用による損耗、故意や過失、善管注意義務違反(一般的な注意を怠ること)

 

【賃貸契約時に、特約を削除させる交渉の伝え方】

・「国交省のガイドラインで貸主の負担と決められていますよね? クリーニング特約は削除してください」

・「エアコンの内部清掃はガイドラインでは通常の清掃を超える内容なので、エアコン清掃代の借主負担は削除してください」

・「不動産広告(物件の募集チラシ)にも退去クリーニング費用は書かれていないですよね? 削除してください」

・「なぜ借主に不利な特約があるのでしょうか? 削除できないなら、その根拠を教えてください」

 

借主のあなたが知らないことをいいことに、不利な特約を当たり前のように契約書に記載しています。

何も知らなければ、用意された契約書に書かれている特約を削除させることなんて不可能ですよね。

 

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」には、"原状回復の原則" が定められています。

知識を武器にして、できるだけ悪質なぼったくりから身を守ってくださいね。

 

 

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