
もうウンザリ...。
こんにちは、キベリンブログです。
厚生労働省は高所得者に対して、保険料を増額する調整に入っています。
今回は、「厚生年金保険料、年収798万円以上は負担増へ」について紹介します。
【本記事の内容】
① 厚生年金保険料、上限額の引き上げで負担増に【年収798万円】
② 厚生年金のしくみと、引かれる保険料の金額【等級と収入9.15%】
③ まとめ:厚生年金は引かれる税金・社会保険料のうち、最大の負担額
転職を複数回経験し、社会保険料に対する知識も深めてきました。
給料からの天引きで最も負担の大きい厚生年金を、わかりやすく語っていきます。
① 厚生年金保険料、上限額の引き上げで負担増に【年収798万円】

① 厚生年金保険料、上限額の引き上げで負担増に【年収798万円】
厚生労働省が厚生年金保険料の上限額の引き上げる調整に入っていることが、ニュースで報道されました。
保険料の上限引き上げで負担が増えるのは、いわゆる "高所得者"。
誰がいつから、どのくらい負担を被るのか、具体的に見ていきましょう。
高所得者の厚生年金保険料、引き上げへ【2027年9月】
・引き上げ対象 : 年収798万円(月収66.5万円)以上【※賞与・ボーナスは除く】
・引き上げ金額 : 月額で約9,000円増(現在の59,475円から増額)
・引き上げ時期 : 2027年9月から
厚生年金保険料の引き上げについて、負担が増えることになる "対象・金額・時期" は上記のとおりです。
高所得者と言われていますが、「年収798万円(月収66.5万円)」の人が対象です。
ただし、"賞与・ボーナスは含まない年収額" なので、賞与を入れれば年収1,000万くらいが目安になるかもしれません。
引き上げられる保険料は、「月額9,000円」ほどの負担増となります。
年間で考えれば「10万円を超える負担増になる」ので、けっこう大きいですね。
引き上げ開始の時期は、"2027年9月" からになる予定です。
なぜ、年収798万円以上が対象に?
「なんで798万円以上の人だけが負担が増える対象なの?」と疑問に感じたりしますよね。
"高所得者から取る" という考え方もありますが、実は厚生年金のしくみが影響しています。(詳しくは次のパートで解説していきます)
厚生年金の保険料は、収入が多いほど保険料も増えていきます。
ただし永遠に増えていくわけではなく、保険料には「上限額」が設けられています。
現在は年収762万円以上になると保険料の上限につき当たるので、それ以上稼いでも保険料は月59,475円から増えません。
この上限をさらに等級(月額3万円)を引き上げる調整を行うため、年収798万円以上の人が対象になっています。
年収798万円以上の人は、約10%もいる
「ボーナス抜いて年収798万円以上なんて、そんなにいないでしょ?」と思うかもしれません。
でも実は、厚生労働省の資料をみると、保険料の上限額に該当する人の割合は「約10%(約240万人)」もいるんですよね。(男性のみのデータ)
高所得にもかかわらず保険料の負担割合が少ないともいえるので、厚労省も取りやすいというわけです。
引き上げは2027年9月の1回で終わらず、その後も段階的にどんどん引き上げが続いていく流れに。
厚生年金保険料の負担は、さらに増えていきます。
今後の対策のためにも、次のパートで厚生年金保険料のしくみをチェックしていきますね。
② 厚生年金のしくみと、引かれる保険料の金額【等級と収入9.15%】

② 厚生年金のしくみと、引かれる保険料の金額【等級と収入9.15%】
前のパートで、年収798万円以上の人は厚生年金保険料が引き上げになることを紹介しました。
2027年9月から、月額で約9,000円の負担増になります。
「そんなに収入ないから関係ないよ」と思うかもしれませんが、今後の社会保険料は上がる一方。
給料から引かれるものの中で最も高い厚生年金は、保険料がいくら引かれるのか仕組みを知っておくと対策も可能です。
現在の厚生年金保険料が決まるしくみを、ここで簡単に紹介しておきますね。
【厚生年金保険料のしくみと計算方法】
・支払う保険料は、収入の9.15%
・会社と折半で払うしくみで、会社も保険料を負担(合計で18.3%)
・保険料計算に使う収入は、"標準報酬月額" の等級で分けられる(32等級)
ポイントは3つです。
順番に説明していきますね。
支払う保険料は、収入の9.15%
厚生年金の保険料は、国民年金と違って一律の定額ではありません。
収入に "保険料率" を掛けた金額が、保険料として支払う金額です。
つまり、収入が多いほど保険料も高くなります。(ただし保険料には上限があり、月59,475円が上限額)
保険料率は、段階的に引き上げられてきました。
あなた自身が負担する保険料は、「収入 × 9.15%」で計算できます。
例えば、「月給30万円」なら、保険料は「27,450円(9.15%)」になります。
会社と折半で払うしくみで、会社も保険料を負担(合計で18.3%)
厚生年金の保険料は、実は会社もあなたの保険料を負担しています。
"あなたと会社で折半(半額ずつ)して払う" 仕組みです。
先ほど保険料の計算は「収入 × 9.15%」と説明しましたが、実際には厚生年金の保険料率は「18.3%」です。
ですが、会社が半額を負担しているので、保険料率も半分にして計算しているということですね。
支払っている合計の保険料を見れば、収入の2割近い金額を払っています。
「月給30万円」なら、会社の負担分と合わせて「54,900円(18.3%)」もの金額になるので、国民年金(約17,000円)との差は大きいことが分かると思います。
保険料計算に使う収入は、"標準報酬月額" の等級で分けられる(32等級)

厚生年金保険料額表
保険料の計算は「収入 × 9.15%」ですが、計算に使う "収入" の部分は一定の範囲で区分されています。
区分した金額を「標準報酬月額」といい、32等級で分けられています。
上の画像が「厚生年金保険料額表(日本年金機構のサイトから引用)」で、左側の列が標準報酬月額のリストです。
例えば、実際の月給(額面)が「29万円以上 ~ 31万円未満」であれば、収入30万円(等級:19)として保険料を計算します。
標準報酬月額は毎月変わるわけではなく、「4月~6月の給料の平均」で決まります。
このあたりの時期は "残業しない方が良い" と言われるのは、厚生年金と健康保険の保険料が上がらないようにする理由からですね。
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③ まとめ:厚生年金は引かれる税金・社会保険料のうち、最大の負担額

③ まとめ:厚生年金は引かれる税金・社会保険料のうち、最大の負担額
本記事では、「厚生年金保険料、年収798万円以上は負担増へ」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【厚生年金保険料の引き上げで、負担増になる対象と金額】
・引き上げ対象 : 年収798万円(月収66.5万円)以上【※賞与・ボーナスは除く】
・引き上げ金額 : 月額で約9,000円増(現在の59,475円から増額)
・引き上げ時期 : 2027年9月から
【厚生年金保険料のしくみと計算方法】
・支払う保険料は、収入の9.15%
・会社と折半で払うしくみで、会社も保険料を負担(合計で18.3%)
・保険料計算に使う収入は、"標準報酬月額" の等級で分けられる(32等級)
厚生労働省は、2027年9月から厚生年金保険料の上限額を引き上げる調整を進めています。
年収798万円以上の人は、月額で「約9,000円」の負担増に。
年間で計算すれば10万円を超えるので、それなりに大きな負担になりそうです。
超高齢化社会を迎える日本では、社会保険料の上昇は避けられそうにありません。
厚生年金保険料は "収入の9.15%" が引かれる、最も負担の大きい税金・社会保険料の1つです。
給与明細をよく確認して、実際にどれくらい引かれているのかチェックしてみてくださいね。
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