こんにちは、キベリンブログです。
海外移住で税金は安くなると言いますが、納税の義務は気になりますよね。
今回は、「海外移住と住民税・所得税の扱い」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 海外移住すると、住民税は払わなくていいのか【海外転出届と1月1日】
② 所得税は海外移住しても、住民税より厳しい【居住者・非居住者の違い】
③ まとめ:海外移住と税務上の判定は異なるので、フリーランスは要注意
海外転職にともなう海外移住や、デジタルノマド生活を経験してきました。
フリーランスのリモートワーカーも要注意なので、参考にしてみてください。
① 海外移住すると、住民税は払わなくていいのか【海外転出届と1月1日】
日本の税金といえば、住民税と所得税がおもな税金です。
どちらも所得があれば課税され、税金を払わなければなりません。
そんな中で、「海外移住すると住民税は払わなくていい」などと聞いたりしますよね。
そこでまずは、海外移住と住民税の扱いから見ていきましょう。
【海外移住における住民税の扱い】
・海外転出届を出した場合 : 1月1日時点で海外在住なら、その年度は支払い義務なし
・海外転出届を出していない場合 : 海外在住でも、支払い義務あり(前年の所得から計算)
住民税は、「海外転出届」を出すかどうかで変わります。
それぞれ説明していきますね。
海外転出届を出した場合 : 1月1日時点で海外在住なら、その年度は支払い義務なし
住民税は、毎年「1月1日時点」で住民票(住民登録)のある市区町村に支払うしくみです。
海外転出届を提出すると、住民票を抜くことになり、住民登録は削除されます。
つまり、「海外転出届を出す → 年をまたいで海外で過ごす」という場合は、その年度(6月~翌年5月まで)の住民税は支払う必要はありません。
住民税のしくみから考えれば、できるだけ年の後半に出国した方がお得ということですね。
ただし「出国する年の住民税(6月~翌年5月までの分)」は、海外転出届を出したとしても、支払う義務があります。
6月以前(住民税通知書が届く前)に出国する場合は、「納税管理人」の届け出が必要になるので注意しておきましょう。
※納税管理人や出国前の確定申告については、「海外移住前に行うべき準確定申告と納税管理人【海外転職者は必須】」をご覧ください。
海外転出届を出していない場合 : 海外在住でも、支払い義務あり(前年の所得から計算)
海外転出届を出さなかった場合は、住民税においては日本に住んでいるのと同じ扱いになります。
たとえ海外移住していても、その間も住民税を払う必要があります。
ただ、住民税は「前年の所得」から計算されるため、日本で申告した所得がない場合には住民税はかかりません。
それでも出国する年の住民税はかかるケースが多いので、支払いは忘れないようにしましょう。
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住民税逃れで、「海外転出 ⇔ 転入届」の繰り返しは不可【海外転出届のルール】
住民税のしくみがわかると、「1月1日だけ住民票を抜いておけば、ずっと払わなくて済むんじゃない?」と思うかもしれません。
ですが残念ながら、「海外転出届 ⇔ 転入届」の提出を繰り返すことはできません。
なぜなら、海外転出届は「1年以上の海外移住を予定している場合に出す」という決まりがあるからですね。
国内への転入届(住民登録)も、「日本に1年以上住む予定の場合に提出する」ことになっています。
1回は提出できても繰り返しは不可能だし、実態が伴っていないとチェックが入ってバレます。
住民税逃れは簡単にはできないので、注意しておきましょう。
※海外転出届を出すメリット・デメリットは、「海外転出届は出さなくてもいい?メリットとデメリット【海外転職】」で解説しています。
② 所得税は海外移住しても、住民税より厳しい【居住者・非居住者の違い】
前のパートでは、海外移住における住民税を紹介しました。
続いて、所得税について見ていきましょう。
【海外移住における所得税の扱い】
・居住者 : 日本と海外で生じたすべての所得に課税
・非居住者 : 日本で生じた所得(国内源泉所得)のみ課税
所得税は、税務上における「居住者 or 非居住者」によって課税の範囲が変わります。
それぞれ説明していきますね。(居住者と非居住者のくわしい判定基準は、最後に補足します)
居住者 : 日本と海外で生じたすべての所得に課税
海外転出届を出さず住民票を残している場合などは、海外移住しても税務上は「居住者」になります。
日本での所得だけでなく、海外の所得も含めて課税されます。
海外にいても確定申告が必要なので、忘れずに行いましょう。
e-Taxが使えればオンラインで確定申告できるので、わざわざ帰国せずに済みます。
※海外からe-Taxで確定申告できる条件は、「【海外移住】e-Taxは海外にいる場合できるか【確定申告】」をご覧ください。
非居住者 : 日本で生じた所得(国内源泉所得)のみ課税
海外転出届の提出に加えて、1年以上の海外移住の実態がともなう場合は、「非居住者」となります。
非居住者でも、「日本で生じた所得(国内源泉所得)」については払わなければなりません。
例えば、日本で不動産を持っていて家賃収入があれば、必ず所得税がかかります。
確定申告も必要なので、気をつけておきましょう。
リモートワークの普及で、フリーランスで海外に住みながら日本の仕事をすることも簡単になりました。
Youtubeやブログ、アフィリエイト収入などの中には日本への納税義務がないケースもあるのですが、日本に納税しないときは移住先など必ずどこかの国へ納税が必要です。
住民票を抜いただけでは、「非居住者」にはならない
海外転出届を出すと住民登録は抹消され、住民票はなくなります。
でも住民票を抜いただけでは、税務上では非居住者として認められません。
明確な基準はないのですが、少なくとも1年以上の海外移住の実態が必要とされています。
日本に拠点や住所があったり、滞在日数が海外よりも多かったりすると、居住者と判断されることも。
所得税は住民税よりも、非居住者となる判定基準が厳しくなっています。
税金逃れは難しいので、気をつけてくださいね。
③ まとめ:海外移住と税務上の判定は異なるので、フリーランスは要注意
本記事では、「海外移住と住民税・所得税の扱い」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【海外移住における住民税の扱い】
・海外転出届を出した場合 : 1月1日時点で海外在住なら、その年度は支払い義務なし
・海外転出届を出していない場合 : 海外在住でも、支払い義務あり(前年の所得から計算)
【海外移住における所得税の扱い】
・居住者 : 日本と海外で生じたすべての所得に課税
・非居住者 : 日本で生じた所得(国内源泉所得)のみ課税
「海外移住すれば税金払わなくていい!」というイメージですが、実際にはそう簡単ではありません。
住民税と所得税で扱いは違うし、海外転出届で逃られるものでもないんですよね。
フリーランスとして働きながらの海外ノマド生活も可能な時代ですが、税金の問題はついて回ります。
しくみを押さえた上で、確定申告も忘れないようにしておきましょう。
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