当てはまる条件やメリットとか知りたいな。
こんにちは、キベリンブログです。
失業保険の条件は退職理由で決まりますが、ちょっと複雑で難しいですよね。
今回は、「特定受給資格者(会社都合退職)になる条件と、3つのメリット」について紹介します。
【本記事の内容】
失業保険は3回受給してきました。
経験から、特定受給資格者と会社都合の違いも含めて紹介していきますね。
① 失業保険における受給資格とは【3種類】
退職理由には会社都合と自己都合がありますが、会社都合退職だと給付条件が良くなるメリットがあります。
でも受給資格をみると、会社都合と自己都合の2種類ではなく、実は「3種類」に分かれているんですよね。
これが失業保険をややこしくしているのですが、まずは受給資格と退職理由の関係を説明していきますね。
【失業保険の受給資格と、退職理由の関係】
❶ 特定受給資格者 : 会社都合
❷ 特定理由離職者 : 一部の会社都合(雇止め)と、正当な理由のある自己都合
❸ 一般受給資格者 : 自己都合
受給資格は上記の3種類です。
それぞれ見ていきましょう。
❶ 特定受給資格者 : 会社都合
特定受給資格者の定義としては、「倒産や解雇などで、再就職の準備をする余裕がなく離職した人」のことです。
「特定受給資格者なら会社都合退職」といえますが、実は完全にイコールではありません。
なぜなら会社都合の一部は、2つ目の資格の「特定理由離職者」になる場合があるからですね。
失業手当の給付の条件は、最も優遇される受給資格です。
❷ 特定理由離職者 : 一部の会社都合(雇止め)と、正当な理由のある自己都合
特定理由離職者には、会社都合と自己都合が混ざっています。
会社都合は「雇止め(有期雇用の契約終了)」、自己都合は「正当な理由のある自己都合」が該当します。
ただ、この2つは同じ特定理由離職者でも、給付の条件は異なります。
会社都合(雇止め)は「特定受給資格者」と同じ条件(給付日数の優遇あり)ですが、正当な理由のある自己都合だと給付日数の優遇はありません。
ここがちょっと分かりにくいので、注意してくださいね。
※正当な理由のある自己都合の詳しい内容は、「【給付制限なし】特定理由離職者になるには?【病気・結婚・介護】」をご覧ください。
❸ 一般受給資格者 : 自己都合
ふつうに自己都合で退職すると、一般受給資格者になります。
他の2つの資格のように給付の条件は優遇されません。
2か月の給付制限があるので、すぐ失業手当がもらえないのが厳しいところですね。
② 特定受給資格者の、3つのメリット【給付日数・給付制限・加入期間】
繰り返しですが、特定受給資格者は最も給付の条件が優遇されています。
なので特定受給資格者になると、失業保険ではメリットが大きいんですよね。
そこでメリットとは何なのか、具体的に紹介していきます。
【特定受給資格者の3つのメリット】
・給付日数が増え、年齢が上がるほど増えやすい
・給付制限がなく、すぐに失業手当がもらえる
・雇用保険の加入期間が、6か月以上から受給できる
給付日数が増え、年齢が上がるほど増えやすい
(表はハローワークのHPから引用)
特定受給資格者の給付日数は、雇用保険の加入期間だけでなく「年齢」でも変わってきます。
(「自己都合退職によるその他の資格者」の給付日数は、全年齢で同じ)
60歳以上は例外ですが、60歳までは高齢になるほど給付日数が増えやすくなります。
日数は「90日~330日」まであり、「自己都合退職によるその他の資格者(90日~150日)」よりも多いことがわかりますよね。
なぜ年齢でも分けられているかいうと、再就職への困難度も考慮されているからです。
会社都合は「離職を余儀なくされた」という状況から、失業手当を手厚くしています。
給付制限がなく、すぐに失業手当がもらえる
一般受給資格者(自己都合退職)だと、「2か月の給付制限期間」があります。
失業保険を申請してから2か月経過しないと、支給が開始されないんですよね。
一方で特定受給資格者は給付制限がなく、支給がすぐに始まります。
ここも「時間的な余裕なく離職した」というところが考慮されていますね。
雇用保険の加入期間が、6か月以上から受給できる
一般受給資格者(自己都合退職)は、雇用保険に1年以上加入していないと、失業保険はもらえません。
でも特定受給資格者であれば、半分の「6か月以上」でOKです。
半年間働いていただけでも、失業手当が支給されるのは大きいですよね。
③ 特定受給資格者になるには【残業・パワハラ・契約更新なしでの退職】
ここまでで失業保険の受給資格と、特定受給資格者になるメリットがわかったと思います。
では、特定受給資格者になるための条件を見ていきましょう。
【特定受給資格者になるための条件】
・「倒産」などにより離職(事業所移転による通勤困難なども含む)
・「解雇」などにより離職(規定以上の残業やハラスメントなども含む)
大きくは上記の2つがあります。
それぞれ説明していきますね。
「倒産」などにより離職
❶ 倒産
❷ 大量の雇用の変動(1か月に30人以上 or 雇用者の3分の1以上が退職予定)
❸ 事業所の廃止
❹ 事業所の移転により通勤が困難
「倒産」のグループに入っている退職の理由は、上記の4つです。
「同僚が大量に辞めた」とか「事業所の移転で通勤できなくなった」という内容も、この「倒産」に入っています。
4つのうち3つは、倒産とも言えない内容ですよね。
どれかに該当すれば、特定受給資格者になります。
「解雇」などにより離職
❶ 解雇(自己の責任による重大な理由での解雇は除く)
❷ 労働条件が事実と違う
❸ 賃金の3分の1以上が支払期日までに支払われなかった
❹ 賃金がこれまでの85%未満に低下した
❺ 残業が3か月連続で45時間、2か月連続で80時間、1か月で100時間を超えた
❻ 育児休業や介護休業などの取得を不当に拒まれたり、取得したことで不利益を受けた
❼ 職種転換に際して、職業生活の継続に配慮がなかった
❽ 有期雇用の更新で3年以上雇用されている状態で、契約が更新されなかった
❾ 有期雇用で契約更新が明示されていた場合に、契約が更新されなかった
❿ 就業環境が害される言動(セクハラ、パワハラなど)
⓫ 退職するよう勧奨を受けた
⓬ 事業所の責任で3か月以上休業が続いた
⓭ 事業所の業務が法令に違反した
「解雇」のグループに入っているのは13個あり、多すぎてわかりにくいですよね。
直接的な解雇だけでなく、「規定以上の残業」「休暇取得による不利益」「セクハラ・パワハラなどのハラスメント」での離職も含まれています。
よくあるケースとしては、❽と❾の「有期雇用で契約が更新されず離職」のケースですね。
派遣やパート・アルバイトでも当てはまるので、特定受給資格者になる可能性は高いです。
※有期雇用で契約更新されずに離職した場合に「特定理由離職者」になることがありますが、このときの給付条件は「特定受給資格者」と同じです。
詳しい条件については、「【失業保険】契約終了で会社都合退職になるには【派遣・パートなど】」で解説しています。
【特定受給資格者になるための必要な書類について】
特定受給資格者と判断されるには、事実がわかる書類が必要です。
求められる書類は退職理由によって変わってきますが、例えば以下のような書類ですね。
・事業所移転の通知や通勤経路にかかる時刻表
・雇用契約書や就業規則
・給与明細やタイムカード
事実を示す書類が見つからないときは、ハローワークに相談してみてくださいね。
④ まとめ:特定受給資格者は最も優遇されるので、当てはまる理由を知っておこう
本記事では、「特定受給資格者(会社都合退職)になる条件と、3つのメリット」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【失業保険の受給資格と、退職理由の関係】
❶ 特定受給資格者 : 会社都合
❷ 特定理由離職者 : 一部の会社都合(雇止め)と、正当な理由のある自己都合
❸ 一般受給資格者 : 自己都合
【特定受給資格者の3つのメリット】
・給付日数が増え、年齢が上がるほど増えやすい
・給付制限がなく、すぐに失業手当がもらえる
・雇用保険の加入期間が、6か月以上から受給できる
【特定受給資格者になるための条件】
・「倒産」などにより離職(事業所移転による通勤困難なども含む)
・「解雇」などにより離職(規定以上の残業やハラスメントなども含む)
失業保険の受給資格は3種類あって、しくみがちょっと難しいですよね。
資格も「会社都合と自己都合の2つにすれば分かりやすいのでは?」と思ったりもします。
特定受給資格者になると、失業手当の給付条件が最も有利になります。
3つのメリットのうち、特に「給付日数が増える」「給付制限がない」ことは大きいですね。
支給まで2か月待つ必要はないし、すぐに就職を決めても再就職手当の支給額は高くなります。
退職理由は直接的な倒産や解雇に限らず、「規定以上の残業」や「パワハラ」による離職も、特定受給資格者になる条件に入っています。
当てはまる理由は意外とたくさんあるので、失業保険で損しないようチェックしてみてくださいね。
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