こんにちは、キベリンブログです。
国民健康保険は市区町村で変わるので、引越しするとややこしいですよね。
今回は、「引越した時の国民健康保険の扱いと、二重払いの注意点」について紹介します。
【本記事の内容】
手続き忘れによる二重払いの発生など、注意すべきポイントもあります。
具体例をあげながら、わかりやすく説明していきますね。
① 国民健康保険のしくみとスケジュール【3つのポイント】
まず最初に、国民健康保険のしくみを簡単に説明しておきます。
「月の途中に引っ越したときの扱いだけすぐ知りたい!」というときは、次のパートへ飛んでくださいね。
【国民健康保険のしくみとスケジュール】
❶ 保険料は、「6月」or「7月」に年度単位で決まる(前年の所得から計算)
❷ 支払いは、「6月or7月~翌年3月」まで「9回or10回」に分けて支払う
❸ 「4月~5月or6月」は保険料の支払いがなく、それ以降の月に上乗せされる
ポイントは3つです。
それぞれ見ていきましょう。
❶ 保険料は、「6月」or「7月」に年度単位で決まる(前年の所得から計算)
国民健康保険料(保険税)は、毎年「6月」or「7月」に、「年度単位(4月から翌年3月分まで)」で決まります。
6月と7月のどちらに決まるかは、市区町村によって異なります。
でも「年度単位なのに、なぜ4月に決まらないの?」と思いますよね。
なぜなら、あなたの所得情報を確認するのに時間がかかるからです。
保険料の金額は、2~3月に行う「確定申告」での前年の所得から計算されます。
(会社員で確定申告していない場合は、年末調整での所得額)
❷ 支払いは、「6月or7月~翌年3月」まで「9回or10回」に分けて支払う
保険料は6月or7月に決まるので、支払いはそれ以降になります。
「6月or7月~翌年3月」まで、「9回or10回」に毎月払いで分けて支払います。(まれに8回で支払う市区町村もあります)
6月から支払う場合は「10回」になりますが、1回で払う金額は少なくなりますね。
7月から支払う場合は「9回」となり、1回分の金額は少し多めになります。
❸ 「4月~5月or6月」は保険料の支払いがなく、それ以降の月に上乗せされる
繰り返しですが、保険料は6月or7月に決まるので、それまで支払いはありません。
決まるまでの「4月~5月or6月」の分は、それ以降の月に均等に上乗せされます。
それまでの分をまとめて払うわけではないので、安心してくださいね。
ただ完全に同額で分けられないことが多いので、最初の支払いだけすこし高めになったりします。
② 月の途中に引越したら、健康保険料は転入先に支払う【日付別と退職時の具体例】
国民健康保険のしくみが簡単にわかったら、他の市区町村へ「引っ越した場合」の扱いを確認しましょう。
健康保険料は "月割り" で、日割りにはなりません。
月の途中で引っ越す場合、「引越前 or 引越先(転入先)でどっちの市区町村に払うの?」と思いますよね。
月の途中に引越したら、その月は「転入先(新しい住所の市区町村)」に支払う
引越しした月の健康保険料は、「引越先(転入先)」に支払います。
ここでいう「引越し日」とは、役所に出す転入届に書く「転入日(異動日)の日付」です。
"手続きした日ではない" ので、注意してくださいね。
わかりやすくするため、具体例を見ておきましょう。
A市からB市へ引っ越す場合の、日付別での具体例
・7月1日に引越し : 7月分からB市に支払う(6月分までA市)
・7月15日に引越し : 7月分からB市に支払う (6月分までA市)
・7月31日に引越し : 7月分からB市に支払う (6月分までA市)
日割りにはならないので、日にちは関係ありません。
7月31日に引っ越したら、たとえ1日でも、引越先(転入先)である「B市」へ7月分を支払います。
ただ実際の7月分の支払いは、新たに健康保険料の計算が必要なので、支払いは8月以降になりますね。
保険料は、B市がA市にあなたの所得情報を確認して計算されます。
「会社の退職+引越し」をする場合の具体例
❶ 6月30日(末日付け)に退職し、7月中にA市からB市へ引越し : 6月分まで会社の健康保険、7月分からB市に支払う
❷ 6月29日(末日以外)に退職し、7月中にA市からB市へ引越し : 5月分まで会社の健康保険、6月分はA市、7月分からB市に支払う
会社員だと、会社の健康保険に加入しますよね。
会社の健康保険は、"退職日の翌日" で脱退(資格喪失)になります。
❶のように「末日付け」での退職だと、翌日の7月1日から市区町村の国民健康保険に加入します。
7月分は引越し先のB市に支払うことになるので、引越し前のA市への支払いはありません。
一方で❷(末日以外)は、6月30日には会社の健康保険の資格を失うので、6月30日から市区町村の国民健康保険に加入することになります。
繰り返しですが、日割りにはならないので、"6月分はA市"、"7月分からB市" に健康保険料を支払います。
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③ 国民健康保険料を誤って支払った場合の手続き【環付と二重払い】
ここまで健康保険のしくみと引越しについて確認してきましたが、複雑なので間違えることもあるはず。
そこで、保険料を誤って支払った場合の手続きも紹介しておきます。
誤って支払った場合は、手続きで環付を受けられる
例えば、「7月分を間違えてA市に支払ってしまった!」ということもありますよね。
そういった場合、誤って支払った金額は手続きすれば環付してもらえます。
後日に書面が郵送されてきて、振込口座を記入して返送する手続きが一般的です。
事前に引越し前のA市に、環付手続きを確認しておくと安心ですね。
転出届を忘れると、健康保険料を二重払いする可能性あり
他の市区町村へ引越しするときは、引越し日の2週間前から当日までの間に、「転出届」を役所に出さなければなりません。
転出届を出せば、基本的にはその市区町村の国民健康保険の脱退手続きも、一緒にやってくれます。
この転出届を忘れたり、提出が遅れたりすると、引越し前後の市区町村にダブって保険料を払ってしまう可能性があります。
二重払いとなり損してしまうので、転出届は忘れないようにしましょう。
なお、マイナンバーカードがあれば、転出届はオンラインで手続きできる市区町村も多いです。
オンラインなら役所へ行くことなく手続きが完了するので、あなたの市区町村のサイトを確認してみてくださいね。
就職して会社の健康保険に加入したら、脱退手続きしないと二重払いに
就職が決まって会社の健康保険に加入するとき、市区町村の国民健康保険は自動で脱退にはなりません。
窓口 or 郵送で「脱退手続き」をする必要があります。
必要書類として、「加入した会社の保険証」「国民健康保険の保険証」などを求められます。
脱退手続きしないと「二重払い」になる可能性があるので、14日以内にあなたの市区町村へ手続きしてくださいね。
※脱退手続きの詳しい内容は、「【健康保険】再就職したら脱退手続きが必要!【忘れると2重払い】」をご覧ください。
④ まとめ:健康保険料は月割りで、日割りにはならない。1日でも1ヶ月分の支払いになる
本記事では、「引越した時の国民健康保険の扱いと、二重払いの注意点」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【国民健康保険のしくみとスケジュール】
❶ 保険料は、「6月」or「7月」に年度単位で決まる(前年の所得から計算)
❷ 支払いは、「6月or7月~翌年3月」まで「9回or10回」に分けて支払う
❸ 「4月~5月or6月」は保険料の支払いがなく、それ以降の月に上乗せされる
【引越し時の健康保険の注意点と、誤って支払ったときの対応】
・月の途中に引越したら、その月の国民健康保険料は転入先に支払う
・誤って支払った場合は、手続きで環付を受けられる
・転出届と就職での脱退手続き忘れによる、二重払いには要注意
繰り返しですが、国民健康保険料は月割りであり、日割りにはなりません。
月の途中で引っ越したら、たとえ1日でも、その月の保険料は「引っ越し先」の市区町村に支払います。
間違えて払っても環付を受けられますが、手続きも面倒ですよね。
支払い先や二重払いのミスには、事前に気をつけておくと安心ですよ。
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