こんにちは、キベリンブログです。
2022年1月の健康保険法の改正は、知っておくとメリットになります。
今回は、「健康保険で変わった、3つのこと(任継・傷病・出産)」について紹介します。
【本記事の内容】
① 2022年1月の法改正で変わった、健康保険の3つの内容【任継・傷病・出産】
② 2022年10月から、社会保険の適用拡大【中小企業とパート・アルバイト】
③ まとめ:2022年から社会保険で変わっていることが多いので、お得に活用しよう
2022年以降、退職したときに任意継続を選びやすくなりました。
変わった3つの内容を、わかりやすく紹介していきます。
① 2022年1月の法改正で変わった、健康保険の3つの内容【任継・傷病・出産】
2022年1月の健康保険法の改正で、以下の3つの内容が変わりました。
【2022年1月施行の健康保険法の改正】
❶ 任意継続被保険者を、「本人の希望」でやめられる
❷ 傷病手当金の支給期間が、起算から「通算」になる
❸ 出産育児一時金が、40.4万円から「40.8万円」に引き上げ
どう変わったのか、以前と比べて紹介していきますね。
❶ 任意継続被保険者を、「本人の希望」でやめられる
・2021年以前:希望だけでは、任意継続を脱退できない
・2022年以降:希望すれば、任意継続を脱退できる
会社を退職したとき、健康保険は「国民健康保険」か「任意継続(退職後も勤務先の健康保険に加入)」のどちらかを選びます。
任意継続を選んだ場合、以前は「やめたくてもやめられない」という制限があったんですよね。
それが2022年1月からは、「本人が希望すれば、任意継続被保険者の資格を喪失できる」ことが追加されました。
ここで、改めて任意継続の資格喪失事由を整理しておきましょう。
【任意継続被保険者の資格喪失事由】
・本人の希望により、翌月1日に資格喪失できる【2022年1月から新規追加】
・任意継続被保険者となった日から、2年が経過したとき
・就職して健康保険等の被保険者の資格を取得したとき
・保険料を納付期限までに納付しなかったとき
・死亡したとき
上記のとおりで、2022年以降は好きなタイミングで「任意継続」から「国民健康保険」に切り替えが可能です。
例えば「退職して1年間は任意継続を選び、国民健康保険が安くなる2年目から切り替える」という方法もできます。
改正されたことを知らなければ、できないと思ったままですよね。
うまく活用すると、お得になりますよ。
※任意継続と国保の比較については、「【退職後】任意継続と国民健康保険はどっちが安い?【比較と選び方】」で紹介しています。
❷ 傷病手当金の支給期間が、起算から「通算」になる
・2021年以前:支給開始から起算して1年6か月
・2022年以降:支給開始から通算して1年6か月
傷病手当金は、病気やケガで会社を休んだときに、十分な給料をもらえない場合に支給される手当です。
以前は「支給開始日から起算して、1年6か月まで」という支給期間でした。
この場合、支給開始後に「休む」と「働く」を交互に繰り返した場合、働いていた期間でも支給期間が減ってしまうんですよね。
これが2022年1月から「支給開始日から通算して、1年6か月まで」に変わっています。
つまり、支給開始後に「休む」と「働く」を交互に繰り返したとき、働いていた期間は支給期間から減りません。
以前よりも傷病手当金をもらえる期間が長くなったので、うれしい改正ですね。
※傷病手当金は、在職中だけでなく退職後も受給が可能です。
申請方法など詳しい内容は、「病気やケガで退職したときの、失業保険のもらい方【最長2年6ヶ月】」をご覧ください。
❸ 出産育児一時金が、40.4万円から「40.8万円」に引き上げ
・2021年以前:40万4,000円(産科医療補償制度に未加入の機関での出産)
・2022年以降:40万8,000円(産科医療補償制度に未加入の機関での出産)
出産育児一時金は、出産したときに一定の金額が支給される手当です。
以前から、金額は「42万円」と言われますが、実は「本来分 40.4万円」+「産科医療補償制度の掛金分 1.6万円」の合計額なんですよね。
なので、産科医療補償制度に「未加入」の機関で出産すると、金額は「40.4万円」でした。
それが2022年1月から、「本来分 40.8万円」+「産科医療補償制度の掛金分 1.2万円」に変わっています。
つまり、産科医療補償制度に「未加入」の機関での出産なら、金額は「40.8万円」に増えるということですね。
ちなみに、「産科医療補償制度の加入機関」での出産については、42万円で変わりません。
② 2022年10月から、社会保険の適用拡大【中小企業とパート・アルバイト】
2022年1月に改正された健康保険の内容を見てきましたが、2022年10月にも2つ変わったことがあります。
「社会保険(健康保険・厚生年金)の適用拡大」で、こちらも紹介しておきますね。
【2022年10月からの社会保険の適用拡大】
・変更1:従業員数「101人以上」の企業に対象拡大(中小企業向け)
・変更2:雇用期間が「2か月」を超える見込みに対象拡大(パート・アルバイト向け)
まとめると、「中小企業」と「パート・アルバイト」で働く人が、社会保険の加入対象になっています。
それぞれ簡単に見ていきます。
変更1:従業員数「101人以上」の企業に対象拡大(中小企業向け)
・2022年9月以前:従業員数501人以上の企業
・2022年10月以降:従業員数101人以上の企業
現行では大企業だけが社会保険の加入対象でした。
2022年10月から、中小企業(従業員101人以上)も社会保険の加入が義務化されています。
なお、2024年10月には従業員数「51人以上」の企業にも適用される予定です。
変更2:雇用期間が「2か月」を超える見込みに対象拡大(パート・アルバイト向け)
・2022年9月以前:1年以上の雇用見込み
・2022年10月以降:2か月を超える雇用見込み
パート・アルバイトで働く「短時間労働者」が、新たな加入対象になっています。
具体的には「2か月を超える雇用見込み」という条件ですね。
こちらも義務化なので、社会保険の加入は「強制」になります。
もらえる年金が増えたりするメリットがある一方で、手取りが減ってしまうデメリットもあるので要注意ですね。
-
社会保険の適用拡大で、損する人・得する人【扶養外れる】
お悩み相談2022年10月以降、社会保険の適用が拡大されたんだよね。 何となく損しそうなイメージがあるけど...。 こんにちは、キベリンブログです。 2022年10月から、 ...
続きを見る
③ まとめ:2022年から社会保険で変わっていることが多いので、お得に活用しよう
本記事では、「健康保険で変わった、3つのこと(任継・傷病・出産)」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【2022年1月施行の健康保険法の改正】
❶ 任意継続被保険者を、「本人の希望」でやめられる
❷ 傷病手当金の支給期間が、起算から「通算」になる
❸ 出産育児一時金が、40.4万円から「40.8万円」に引き上げ
【2022年10月からの社会保険の適用拡大】
・変更1:従業員数「101人以上」の企業に対象拡大(中小企業向け)
・変更2:雇用期間が「2か月」を超える見込みに対象拡大(パート・アルバイト向け)
2022年から、社会保険(健康保険・厚生年金)で多くのことが変わっています。
改正の内容を知っていると、お得に活用できたりします。
例えば、健康保険は保険料が安くなるタイミングで、「任意継続から国民健康保険へ切り替える」ことも可能に。
知らなければ、こういった方法は思いつかないですよね。
2022年に健康保険で変わった内容を押さえて、うまく利用していきましょう!
-
【退職後】任意継続と国民健康保険はどっちが安い?【比較と選び方】
お悩み相談会社を辞めた後の健康保険は、任意継続と国民健康保険のどっちを選ぶとお得なのかな?? こんにちは、キベリンブログです。 任意継続と国保(国民健康保険)は保険料が違い ...
続きを見る
-
【2024年度】国民健康保険料のお得な支払い方法【eL-QR対応】
お悩み相談健康保険料の支払いって、ラクでお得な払い方あるのかな? コンビニ払いはクレジットカード使えないし、金額も大きくて現金は面倒...。 こんにちは、キベリンブログです ...
続きを見る
-
住民税を安くする、3つの方法【節税と計算のしくみ】
お悩み相談給料から天引きされてると気づかないけど、住民税ってこんなに高いのか...。 安くする方法とかないのかな? こんにちは、キベリンブログです。 増税が続いているので、 ...
続きを見る