いつ移住すればお得なのかな?
こんにちは、キベリンブログです。
海外移住による税金の扱いはわかりにくいので、気になりますよね。
今回は、「いつ海外移住するとお得になるのか、住民税のしくみから考える話」について紹介します。
【本記事の内容】
① 住民税は、1月1日時点で住民登録のある自治体に払う【海外移住は年の後半が損しない】
② 海外移住での住民税で、支払いに注意しておくこと【5月以前の出国と納税管理人】
③ まとめ:海外移住する前の住民税は負担が大きいので、お金の準備には要注意
ITエンジニアとして海外転職したので、海外移住と住民税のしくみも学んできました。
経験から、いつ出国するとお得になるのか語っていきます。
① 住民税は、1月1日時点で住民登録のある自治体に払う【海外移住は年の後半が損しない】
最初に、ちょっと考えてみてください。
次の3つの日付のうち、いつ出国して海外移住すると、住民税でお得になると思いますか?
【出国日】
❶ 1月2日
❷ 5月31日
❸ 12月31日
正解は、「❸ 12月31日」が最もお得です。
なぜそうなるのか、すこし掘り下げて考えていきますね。
住民税は、前年の所得に約10%が課税される後払い方式
住民税のしくみは、「後払い方式」です。
社会人2年目になると、1年目よりも給料の手取りが減ると言われています。
その理由は、1年目は住民税が引かれていなかったからですね。
住民税は、「前年の所得」に対して、約10%が課税されます。
例えば、前年の収入が300万円だったら、「約30万円」が住民税としてかかってきます。
かなり大きな出費になるので、けっこう厳しいですよね。
1月1日時点で、住民登録のある市区町村に支払う
住民税はどこに払うかというと、「1月1日時点」で住民登録のある市区町村に支払います。
なので、例えば年の途中で新宿区から大阪に引越しても、その年の住民税は引越し前の新宿区に払い続けることになるんですよね。
これを、海外移住に置き換えて考えてみましょう。
海外移住するときに役所で「海外転出届」を提出すると、住民登録は削除されます。
日本国内ではどこにも住民登録されなくなるので、住民票はなくなります。
その状態で年を越して1月1日を過ぎると、「1月1日に日本にいなかった年の住民税は、前年に所得があっても、支払いが不要」になります。
年の後半に出国するほど、住民税はお得になる
❶ 1月2日 : 1年分の住民税を支払う(日本滞在は2日間)
❷ 5月31日 : 1年分の住民税を支払う(日本滞在は5ヶ月間)
❸ 12月31日 : 1年分の住民税を支払う(日本滞在は1年間)
住民税のしくみを踏まえた上で、最初に紹介した3つの出国日をもう一度考えてみましょう。
繰り返しですが、住民税は「1月1日時点で住民登録のある市区町村に支払う」決まりです。
住民税は、いつ出国しても金額は同じで、減額されるようなことはありません。
例えば「❶ 1月2日」が出国日の場合、その年はたった2日間しか日本にいないのに、それでも1年分の住民税を払う義務があります。
つまり、「年の後半に出国するほど、住民税はお得になる」ということですね。
もし出国日をずらせるなら、年末など年を越す前に出国した方が損せずに済みますよ。
※海外移住を終えて日本に戻ってきた後の住民税については、しばらく(1年以上)は支払いがなくなります。
その理由については、「【海外移住】帰国後の住民税は、いつから払う?【1年以上支払なし】」で解説しています。
② 海外移住での住民税で、支払いに注意しておくこと【5月以前の出国と納税管理人】
海外移住する年の住民税は、出国日にかかわらず支払う必要があります。
気になるのは、「いつ支払えばいいのか?」ということですよね。
そこで支払いの時期などを中心に、注意しておくことを簡単に紹介しておきますね。
住民税の支払いは、6月以降になる
会社員だと給料から引かれているので、支払いの時期はあまり気にしないですよね。
退職後やフリーランスの人などは、その年の住民税を「6月以降」に支払います。
なぜ6月かというと、前年の所得から住民税の金額を確定するまでに、時間がかかるからですね。
6月になると住民税の書類が送られてきますが、「6月から翌年5月」を1年として、通常は「4期に分割(6月、8月、10月、1月)」して払います。
でも海外移住する場合は、出国日によってまとめて払わないと面倒になるので、高額を一括で払うケースも多いです。
私も経験がありますが、まとまったお金が必要になったりするので、注意してくださいね。
5月以前の出国で支払いが難しい場合、納税管理人が必要
住民税の支払いは6月以降と紹介しましたが、「5月以前に出国する場合」でも、住民税は「支払いの義務」があります。
その場合、納税の決定通知書などの書類も受け取れず、どう支払えばいいのか困りますよね。
一度帰国して払う方法もありますが、支払いが難しい場合は「納税管理人」を選んでおく必要があります。
納税管理人は、あなたの代わりに納税の手続きをする人のことです。
管理人といっても税理士などに依頼する必要はなく、家族や友人でOKです。
ちなみに、海外移住前には「準確定申告」が必要で、そのときも状況によっては納税管理人を求められます。
※確定申告と納税管理人については、「海外移住前に行うべき準確定申告と納税管理人【海外転職者は必須】」をご覧ください。
海外転出届は、「1年以上の出国予定」が一応のルール
「住民票を抜いておけば住民税を払わなくていいなら、海外転出届と転入届を繰り返し出せばいいのでは?」と思ったりもしますよね。
でも、実際にそれをやるのは難しいですね。
海外転出届には一応のルールがあり、「1年以上の出国予定の場合に、海外転出届が必要」と決められています。
海外から戻ってきて国内に転入する場合も、「日本に1年以上住む予定の場合に、住民票を置ける」というルールです。
あくまで予定なので、変わることはもちろん考慮してくれます。
ですが転出と転入を繰り返した場合、税金を払っていないことはすぐに分かりバレるので、避けておいた方が無難ですね。
※海外転出届のメリットなど、詳しくは「海外転出届は出さなくてもいい?メリットとデメリット【海外転職】」で紹介しています。
③ まとめ:海外移住する前の住民税は負担が大きいので、お金の準備には要注意
本記事では、「いつ海外移住するとお得になるのか、住民税のしくみから考える話」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【住民税のしくみから考える、お得な海外移住の出国】
・住民税は、前年の所得に約10%が課税される後払い方式
・1月1日時点で、住民登録のある市区町村に支払う
・年の後半に出国するほど、住民税はお得になる
【海外移住での住民税で、支払いに注意しておくこと】
・住民税の支払いは、6月以降になる
・5月以前の出国で支払いが難しい場合、納税管理人が必要
・海外転出届は、「1年以上の出国予定」が一応のルール
住民税は、前年の所得から課税される後払いのしくみです。
「1月1日時点で住民登録のある自治体に払う」決まりなので、1月1日に住民登録がなければ、その年の住民税の支払いは不要になります。
この住民税のしくみを踏まえて考えると、海外移住は年の後半にするほど、お得になります。
出国日をずらせるなら、年末などがおすすめですね。
海外移住する年の住民税は、いつ出国したとしても、前年の所得に応じて1年分を支払わなければなりません。
出国前に一括で払うと、かなり大きな金額になったりするので、お金の準備には注意しておいてくださいね。
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