こんなに請求されると思わなかったから、支払いが厳しくて...。
こんにちは、キベリンブログです。
退職しても住民税の支払いは続くので、余裕がないと厳しいですよね。
今回は、「退職後の住民税の減免制度と、活用すべき3つの制度」について紹介します。
【本記事の内容】
① 退職後に利用できる、住民税の減免制度とは【条件は自治体で違う】
② 社会保険と税金で活用すべき、免除・減免・軽減制度【3つの条件レベル】
③ まとめ:住民税の減免は、自治体独自の制度。条件は個別に要チェック
失業状態では、活用できる免除・減免・軽減制度があります。
知っていれば負担を軽くできる知識を、わかりやすく語っていきます。
① 退職後に利用できる、住民税の減免制度とは【条件は自治体で違う】
まず最初に、住民税のしくみを簡単に説明しておきますね。
会社員は毎月の給料から天引きされますが、退職して無職・フリーランスなどは自分で支払わなければなりません。
住民税は「前年の所得」から計算され、"6月から翌年5月" の間で、「4分割」にわけて支払っていきます。
つまり、1年半遅れの "後払い方式" になっています。
そのため無職で収入がなくなっても、働いていたときの収入をベースにした金額で、住民税が請求されます。
この住民税が退職後の出費で、最も大きいものになるかもしれません。
退職後の住民税は、年収500万円の会社員で約25万円
・年収500万円 : 住民税は約25万円
・年収400万円 : 住民税は約18万円
・年収300万円 : 住民税は約12万円
会社員として「年収500万円(月給で約30万円+ボーナス2回)」を稼いでいた人が退職した場合、住民税は「約25万円」かかります。
無職で収入がなくなっても、これほどの金額を払わなければなりません。
年収が低ければ住民税も安くなりますが、フルタイムで働いていれば少なくとも10万円は超えてきます。
退職後も経済的に余裕がないと、支払いに厳しくなることがわかりますよね。
退職後、住民税の減免制度を利用できる可能性がある
4分割での支払いとはいえ、住民税の支払いにはまとまったお金が必要です。
失業保険がもらえても、働いていたときの貯金がなければ払えなくなるケースもあります。
そんなときに確認して欲しいのが、「住民税の減免制度」です。
自治体(市区町村)によりますが、失業した人は条件次第で住民税の減免の対象になることも。
各自治体がやっている独自の制度なので、失業による減免制度がない自治体もあります。
あなたの自治体に住民税の減免制度があるか、市区町村のサイトなどでチェックしてみてください。
退職後に住民税の減免制度を受けられる自治体(一例)
・横浜市 : 会社都合退職 + 1ヶ月以上所得なし + 前年所得300万円以下
・大阪市 : 解雇や倒産で失業 + 失業保険の受給資格あり + 前年所得260万円以下
・名古屋市 : 失業保険の受給資格あり + 前年所得210万円以下
住民税の減免制度がある自治体の一例を挙げると、上記のとおりです。
繰り返しですが、各自治体が独自でやっている制度なので、制度の有無や条件もバラバラです。
条件として多いのは、「所得が基準より少ないこと」「会社都合退職」といった内容ですね。
減免の程度も、所得額に応じて「5割減額」「7割減額」「全額免除」などと減額割合が変わります。
住民税の減免を受けるには、あなたから申請が必要です。
待っていても教えてくれないので、必要書類など自治体のサイトや市民税課の窓口で確認しましょう。
② 社会保険と税金で活用すべき、免除・減免・軽減制度【3つの条件レベル】
前のパートで、住民税の減免制度を説明してきました。
退職して失業状態になった場合は、実は住民税以外にも経済的な負担を軽くしてくれる制度があります。
誰かが進んで教えてくれるわけではないし、知らなければ活用できません。
退職後に利用できる「免除・軽減・減免制度」について、まとめて紹介しておきますね。
【退職後に利用できる、社会保険と税金の免除・軽減・減免制度】
❶ 国民年金の保険料【条件レベル:低】
❷ 国民健康保険料【条件レベル:中】
❸ 住民税【条件レベル:高】
おもな制度は3つで、上から順に対象になる条件のレベルが上がっていきます。
順番に見ていきましょう。
❶ 国民年金の保険料【条件レベル:低】
・退職して無職の場合は免除制度の対象になり、年金保険料は全額免除
・離職理由(自己都合退職 or 会社都合退職)は問わず、何でもOK
・免除期間の年金は、全額納めた場合の「2分の1」で計算される
退職して最も利用しやすいのは、「国民年金保険料の免除制度」です。
失業状態であれば免除OKで、離職理由などは問われません。
国民年金の保険料は、月額1万7千円ほど(金額は毎年度変わる)です。
年間で見たら約20万円にもなるので、これが免除になれば大きいですよね。
「将来もらえる年金は減っちゃうんじゃないの?」と思うかもしれませんが、この期間分はゼロになるわけではありません。
全額納めた場合の「2分の1」で計算され、後から余裕ができたときに追納することも可能です。
※年金の免除申請の詳しい内容は、「【国民年金】退職したら保険料の免除制度を利用しよう【申請は簡単】」をご覧ください。
❷ 国民健康保険料【条件レベル:中】
・国民健康保険には軽減制度があり、所得を30%と見なして保険料を計算し減額
・離職理由に条件があり、「会社都合退職」or「正当な理由のある自己都合退職」が対象
・軽減申請には、失業保険の申請後にもらえる「雇用保険受給資格者証」が必要
年金よりもやや条件レベルが上がるのが、「国民健康保険料の軽減制度」です。
退職だけでなく、離職理由も条件に加えられています。
会社都合退職は、倒産や解雇などのほか、「セクハラ・パワハラ・基準以上の残業」も当てはまります。
もう一方の「正当な理由のある自己都合退職」は、「病気や結婚、介護」など、やむを得ないとされる理由ですね。
離職理由のチェックは、失業保険の申請後にもらえる「雇用保険受給資格者証」から確認されます。
転職など自発的な理由による自己都合退職では軽減の対象にならないので、注意しておきましょう。
※申請までの流れなどは、「【健康保険】退職後の保険料の軽減制度とは?【退職理由が重要】」で解説しています。
❸ 住民税【条件レベル:高】
・住民税の減免制度は全国統一ではなく、各自治体で条件や減免割合はバラバラ
・年金や健康保険に比べて、住民税の減免条件は厳しい傾向がある
・おもな条件として、「所得が基準より少ない」「会社都合退職」などが多い
最も条件レベルが高いのが、前のパートで紹介した「住民税の減免制度」です。
繰り返しですが、住民税の減免は全国統一ではなく、各自治体が独自に制度を設けています。
減免の条件は、あなたが住んでいる自治体の減免制度をチェックしなければなりません。
年金や健康保険に比べて条件が厳しめの傾向があるので、難しい可能性もあります。
条件として多いのは、「前年の所得が少ないこと」「会社都合退職などやむを得ない離職」といった内容です。
減免の割合も「5割減額」「7割減額」「全額免除」などと所得額で変わったりするので、あなたの自治体の税務課などで積極的に確認してくださいね。
③ まとめ:住民税の減免は、自治体独自の制度。条件は個別に要チェック
本記事では、「退職後の住民税の減免制度と、活用すべき3つの制度」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【退職後の住民税】
・年収500万円 : 住民税は約25万円
・年収400万円 : 住民税は約18万円
・年収300万円 : 住民税は約12万円
【退職後に住民税の減免制度を受けられる自治体(一例)】
・横浜市 : 会社都合退職 + 1ヶ月以上所得なし + 前年所得300万円以下
・大阪市 : 解雇や倒産で失業 + 失業保険の受給資格あり + 前年所得260万円以下
・名古屋市 : 失業保険の受給資格あり + 前年所得210万円以下
【退職後に利用できる、社会保険と税金の免除・軽減・減免制度】
❶ 国民年金の保険料【条件レベル:低】
❷ 国民健康保険料【条件レベル:中】
❸ 住民税【条件レベル:高】
住民税は1年半遅れで支払うしくみなので、退職しても支払いが続きます。
失業状態で収入がないときに、住民税で10~20万円の出費は厳しいですよね。
あまり知られていませんが、住民税には自治体別の減免制度があります。
もちろん条件はありますが、あなたの自治体で減免対象であれば、経済的に助かるはずです。
住民税以外にも、退職したら国民年金や国民健康保険料で、免除・軽減制度が活用できます。
知らなければ利用できないので、ぜひ条件などチェックしてみてくださいね。
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