
でも手取りが減っちゃうの!?
こんにちは、キベリンブログです。
通勤手当が高い人ほど、実は損する理由があります。
今回は、「通勤手当で手取りが減る理由」について、紹介します。
【本記事の内容】
① 通勤手当(交通費)で手取りが減る理由【税金と社会保険料】
② 引かれる社会保険料の金額の目安【3つの保険料】
③ まとめ:通勤手当は社会保険料がかかるので、高いほどデメリット
毎月の給料から引かれる税金・社会保険料は、ややこしいしくみがあります。
なぜ通勤手当がデメリットになるのか、わかりやすく語っていきます。
① 通勤手当(交通費)で手取りが減る理由【税金と社会保険料】
で手取りが減る理由【税金と社会保険料】.jpg)
① 通勤手当(交通費)で手取りが減る理由【税金と社会保険料】
最初に結論ですが、通勤手当(交通費)で手取りが減る理由は、"社会保険料"にあります。
社会保険料の中身は、厚生年金・健康保険・雇用保険などの保険料ですね。
同額の給料をもらっている人でも、会社が遠方で通勤手当が高い人の方が、手取り額では損する結果に。
まずは、通勤手当によってどれくらい手取りが減ってしまうのか、具体的に見ていきましょう。
通勤手当 0円 vs 3万円の手取り額(月給20万円の例)
通勤手当 0円 | 通勤手当 3万円 | |
住民税 | 約0.7万円 | 約0.7万円 |
所得税 | 約0.3万円 | 約0.3万円 |
社会保険料 | 約2.9万円 | 約3.4万円 |
手取り額 | 約16.1万円 | 約15.6万円 |
上の表は、月給20万円の例で、通勤手当が "0円・3万円" の場合の手取り額を比較したものです。(月給20万円に通勤手当は含まない)
税金(住民税・所得税)は同額ですが、社会保険料に違いがあります。
徒歩通勤や自転車通勤などで "通勤手当が0円" の場合は、手取り額が「約16.1万円」です。
一方で会社が遠いケースなど "通勤手当が3万円" の場合は、手取り額は「約15.6万円」に。
同じ給料でも手取り額は "5千円" の差があり、年間では「6万円」も変わります。
額面上は通勤手当で高く見えても、実質的には定期代で消えるので、結果的には損することになります。
通勤手当は、社会保険料がかかる
住民税・所得税 | 社会保険料 | |
通勤手当 | × | 〇 |
残業手当 | 〇 | 〇 |
住宅手当 | 〇 | 〇 |
基本給 | 〇 | 〇 |
ボーナス | 〇 | 〇 |
上の表は、手当や給与での課税有無を、税金と社会保険料について示したものです。(〇:課税、×:非課税)
通勤手当の項目をみると、税金(住民税・所得税)にはかからず、非課税になります。
一方で、社会保険料については、通勤手当が保険料の計算に含まれます。
そのため通勤手当が高いほど、社会保険料も高くなり、手取りが減るということですね。
なぜ、通勤手当が社会保険料の計算に含まれるのか?【おかしい理由】
「通勤手当に社会保険料がかかるなんておかしい!」と思いますよね。
そもそも交通費で消えるし、経費として使われるものです。
厚生労働省の回答としては、"通勤手当を支給しない会社もあり義務ではないので、公平性から報酬に含むべき" とのこと。
とはいえ、日本では9割以上の会社が通勤手当を支給しています。
ほとんどの人が通勤手当を支給されている状況を見れば、とても納得できる理由ではありません。
ですが現状は、「通勤手当にも社会保険料がかかる」ので、注意しておきましょう。
② 引かれる社会保険料の金額の目安【3つの保険料】

② 引かれる社会保険料の金額の目安【3つの保険料】
前のパートで、通勤手当で手取りが減る理由を見てきました。
通勤手当にも社会保険料がかかるため、その分の保険料が上がって手取りが減ることになります。
実は住民税や所得税よりも、社会保険料の方がずっと大きな金額を引かれています。
ここで社会保険料の3つ(厚生年金・健康保険・雇用保険)について、具体的にいくら引かれるのか紹介しておきますね。
【引かれる社会保険料の金額の目安】
❶ 厚生年金 : 収入の9.15%
❷ 健康保険 :収入の5%
❸ 雇用保険 : 収入の0.55%
❶ 厚生年金 : 収入の9.15%
・収入の9.15%が、給料から引かれる(額面月給30万円なら約2.7万円)
・会社と折半で支払うしくみで、会社も半額負担している(合計で18.3%)
・厚生年金などの社会保険料は所得ではなく "収入" にかかるため、金額が高くなる
まず1つ目は、「厚生年金の保険料」です。
給料から引かれるものの中で最も高く、「収入の9.15%」が給料から引かれます。
住民税と所得税は "所得" にかかるので、収入から引かれる控除がある分だけ安くなります。
一方で、厚生年金など社会保険料は「収入(標準報酬月額)」にかかる違いがあり、控除がなく額面から計算されるため高くなります。
ちなみに国民年金(退職後やフリーランスが加入)は保険料が一律ですが、厚生年金は収入が多いほど保険料も高くなります。
多く支払うほど、将来もらえる年金も増えるしくみです。
❷ 健康保険 :収入の5%
・加入先や都道府県で異なるが、収入の約5%が引かれる(額面月給30万円なら1.5万円)
・会社と折半で支払うしくみで、会社も半額負担している(合計で約10%)
・毎年4月に保険料の改定あり
2つ目は、「健康保険料」です。
細かくいうと加入する健康保険組合や都道府県で異なりますが、「収入の5%」が給料から引かれます。
厚生年金と健康保険は、会社と折半で支払っています。
つまり、同額を会社も負担してくれているので、健康保険料はあなたと会社の合計で収入の10%を払っています。
健康保険料は年度の変わり目である「毎年4月」に、保険料の改定があります。
そこまで大きくは変わりませんが、チェックしておくと安心ですよ。
【40歳~64歳は、介護保険料の負担あり(収入の0.8%)】
40歳~64歳になると、健康保険料に加えて「介護保険料」がかかります。
介護保険料は「収入の約0.8%」の金額が、給料から引かれます。
例えば月給30万円であれば、介護保険料は「約2,400円」です。
❸ 雇用保険 : 収入の0.55%
・収入の0.55%が、給料から引かれる(月給30万円なら1,650円)
・会社も負担するしくみで、会社の方が負担割合は大きい(合計で1.45%)
・4月 or 10月に保険料が変わる場合あり
最後の5つ目は、「雇用保険料」です。
給料から引かれるものの中では最も低額ですが、「収入の0.55%」が給料から引かれます。
雇用保険料は会社の方が多く負担(0.9%)しており、あなたと会社の合計で収入の1.45%を支払っています。
4月または10月のタイミングで保険料が変わる場合もありますが、必ず毎年変わるわけではありません。
雇用保険は失業保険以外にも、スキルアップのためのスクール・講座受講料が支給される「教育訓練給付」が利用できます。
在職中・退職後ともに利用できるので、保険料の元を取るためにもうまく活用してみてください。
-
-
【80%給付】教育訓練給付が使えるプログラミングスクール【3選】
お悩み相談プログラミングスクールに行きたいけど、もうちょっと受講料が安ければなぁ...。 こんにちは、キベリンブログです。 教育訓練給付の利用で、受講料の80%が支給される ...
続きを見る
③ まとめ:通勤手当は社会保険料がかかるので、高いほどデメリット

③ まとめ:通勤手当は社会保険料がかかるので、高いほどデメリット
本記事では、「通勤手当で手取りが減る理由」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【通勤手当 0円 vs 3万円の手取り額(月給20万円の例)】
通勤手当 0円 | 通勤手当 3万円 | |
住民税 | 約0.7万円 | 約0.7万円 |
所得税 | 約0.3万円 | 約0.3万円 |
社会保険料 | 約2.9万円 | 約3.4万円 |
手取り額 | 約16.1万円 | 約15.6万円 |
【手当・給与別での税金と社会保険料の課税有無】
住民税・所得税 | 社会保険料 | |
通勤手当 | × | 〇 |
残業手当 | 〇 | 〇 |
住宅手当 | 〇 | 〇 |
基本給 | 〇 | 〇 |
ボーナス | 〇 | 〇 |
通勤手当は、社会保険料の計算に含まれます。
そのため通勤手当が高いほど、社会保険料も上がります。
給与明細の総支給額は通勤手当で増えているように見えても、手取り額では損する結果になります。
会社が遠方などで通勤手当が高い場合は、社会保険料も上がるデメリットに注意しておきましょう。
-
-
住民税を安くする、3つの方法【節税と計算のしくみ】
お悩み相談給料から天引きされてると気づかないけど、住民税ってこんなに高いのか...。 安くする方法とかないのかな? こんにちは、キベリンブログです。 増税が続いているので、 ...
続きを見る
-
-
【厚生年金】年収798万円以上の人、負担増へ【月9000円増】
お悩み相談厚生年金の保険料って、また上がるの!? もうウンザリ...。 こんにちは、キベリンブログです。 厚生労働省は高所得者に対して、保険料を増額する調整に入っています。 ...
続きを見る
-
-
【税金】給料から引かれるもの【月収・年収別の手取り一覧表】
お悩み相談住民税やら健康保険料やら、いろいろ引かれすぎ...。 何がどれくらい引かれるのか、収入別での手取りの目安とかも知りたいな。 こんにちは、キベリンブログです。 税金 ...
続きを見る