
こんにちは、キベリンブログです。
遺族年金の見直しが議論される中、具体的な改正内容が明らかに。
今回は、「遺族厚生年金の見直しによる、2028年以降の年金減」について紹介します。
【本記事の内容】
① 遺族年金のしくみと、国民年金・厚生年金での違い【年金制度改正】
② 遺族厚生年金の見直しで、無期から有期給付に【2028年から年金減】
③ まとめ:2028年以降の遺族厚生年金の改正で、支給減が進む流れに
2025年は、5年ごとの年金制度改正の年です。
今後の遺族年金が減っていく流れを、わかりやすく語っていきます。
① 遺族年金のしくみと、国民年金・厚生年金での違い【年金制度改正】

① 遺族年金のしくみと、国民年金・厚生年金での違い【年金制度改正】
亡くなった人の遺族がもらえる年金が、"遺族年金" です。
この遺族年金は以前から見直しが議論されており、廃止を含む検討も。
そんな中で2028年4月から、具体的な新制度の適用が明らかになりました。
ただ、遺族年金はすこし複雑な制度になっています。
そこで新制度の内容に触れる前に、遺族年金のしくみから簡単に見ていきましょう。
遺族年金は、2種類ある【国民年金・厚生年金】
・遺族基礎年金 : 国民年金のみ加入していた場合
・遺族厚生年金 : 厚生年金にも加入していた場合(2階建ての部分)
遺族年金は2種類あり、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。
亡くなった人が加入していた年金が "国民年金" だけか、それとも "厚生年金" にも加入していたかで、遺族がもらえる年金が変わります。
フリーランスや自営業で国民年金のみの加入の場合は、遺族基礎年金だけ支給されます。
一方で、会社員など厚生年金にも加入している場合は、遺族厚生年金も支給されます。(2階建てのしくみ)
遺族として年金が支給されるかは、それぞれ条件が異なります。
具体的に解説していきますね。
遺族年金が支給される条件
・遺族基礎年金 : 18歳以下の子どもがいること(配偶者 or 子)
・遺族厚生年金 : 死亡した人に生計を維持されていたこと(配偶者、子、父母、祖父母、孫)
国民年金の対象となる「遺族基礎年金」は、支給される遺族が限定されています。
「子どもがいる配偶者(または子)」が対象で、加えて "子が18歳以下であるときまで" しか支給されません。
国民年金だけだと支払う保険料が少ないので、支給の要件が厳しめということですね。
一方で厚生年金の対象となる「遺族厚生年金」では、父母・祖父母・孫まで支給の対象になります。(優先順位は子・配偶者が高い)
子どもがいるかどうかは関係なく、"生計を維持されていたか" で判断されるので、支給の要件がゆるくなっています。
厚生年金は2階部分で保険料を多めに払っていることから、遺族年金の支給対象も広いというわけです。
見直されるのは、遺族厚生年金
ここからが本題ですが、見直されるのは「遺族厚生年金」の方です。
冒頭でも触れたとおり、2025年は5年ごとの年金制度改正の年です。
遺族年金は、再婚の阻害や男女格差の問題が以前から指摘されています。
このあたりの解消に向けて、新制度が適用される流れです。
具体的にどう変わるのか、次のパートで見ていきましょう。
② 遺族厚生年金の見直しで、無期から有期給付に【2028年から年金減】

② 遺族厚生年金の見直しで、無期から有期給付に【2028年から年金減】
遺族年金は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。
見直しが入るのは、「遺族厚生年金」の方です。
2028年4月から新制度の適用に向けて調整されています。
この変更によって、段階的に "年金減" が進む流れに。
新制度適用前の遺族厚生年金の男女での違いを踏まえた上で、変わる内容を解説していきますね。
遺族厚生年金の男女による支給の違い【2028年3月まで】
・男性 : 55歳以上のみ対象(受給開始は60歳から)
・女性 : 30歳未満は5年間の有期給付、30歳以上は無期限で給付
遺族厚生年金は、男性と女性と支給の条件が違います。
女性は何歳でも受給できますが、男性は妻の死亡時に55歳未満だったら受給できません。
例えば、女性が仕事をして男性が "主夫" の場合、男性に限り多くのケースで遺族厚生年金がもらえなくなります。
男性には不利な条件でもあるので、格差の解消も含めて見直しが入ります。
2028年4月からの、遺族厚生年金の見直し【新制度】
・男性 : 年齢要件をなくし、有期給付の対象とする
・女性 : 40歳未満は5年間の有期給付、40歳以上は無期限で給付(有期給付の年齢引き上げ)
2028年4月以降、遺族厚生年金で新制度の適用に向けて調整されます。
男性はこれまでの55歳以上という年齢条件がなくなり、有期給付となるため、改善される流れですね。
一方で女性は、有期給付の年齢が「30歳未満」→「40歳未満」へ引き上げに。
30歳~39歳の女性は無期限での支給だったものが、5年間の期間限定の支給になるため、"年金減" になるということです。
「再婚しない限り、ずっと遺族年金がもらえる」ということが、女性の再婚を阻害する要因とも言われてきました。
その問題の影響もあり、無期 → 有期給付となる年齢が引き上げられます。
2028年以降、20年かけて有期給付を60歳未満まで引き上げに
2028年4月のタイミングでは、ひとまず40歳未満までが "5年間の有期給付" に変わります。
その後は20年ほど時間をかけて、段階的に「60歳未満」まで引き上げていく流れに。
無期限給付だったものが、有期給付に変わっていきます。
少子高齢化で年金の財政も厳しいので、遺族厚生年金の支給減は止まらないかもしれません。
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③ まとめ:2028年以降の遺族厚生年金の改正で、支給減が進む流れに

③ まとめ:2028年以降の遺族厚生年金の改正で、支給減が進む流れに
本記事では、「遺族厚生年金の見直しによる、2028年以降の年金減」を紹介しました。
ポイントをまとめます。
【遺族年金の種類(国民年金・厚生年金)】
・遺族基礎年金 : 国民年金のみ加入していた場合
・遺族厚生年金 : 厚生年金にも加入していた場合(2階建ての部分)
【遺族厚生年金の男女による支給の違い】
・男性 : 55歳以上のみ対象(受給開始は60歳から)
・女性 : 30歳未満は5年間の有期給付、30歳以上は無期限で給付
【2028年4月からの、遺族厚生年金の見直し(新制度)】
・男性 : 年齢要件をなくし、有期給付の対象とする
・女性 : 40歳未満は5年間の有期給付、40歳以上は無期限で給付(有期給付の年齢引き上げ)
遺族厚生年金は、今後支給額が減っていく流れが予想されます。
無期限給付が有期給付(5年間)となる年齢が、2028年から段階的に引き上げられていきます。
他にも「中高齢寡婦加算」という特別な手当も、廃止や縮小が検討されています。
支払う年金保険料は増えるのに、もらえる年金額が減るのは厳しい一方ですね。
少子高齢化が加速していく以上、避けることは難しい問題でもあります。
厚生年金は最も保険料の負担が重いので、今後変わっていく内容は押さえておきましょう。
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